当日の確認事項って?会場入りした後に気をつけるべきこと【成功するイベント・セミナーの作り方 第9回】

当日の確認事項って?会場入りした後に気をつけるべきこと【成功するイベント・セミナーの作り方 第9回】

イベント専門のコンサルティング会社ホットスケープの代表 前野さんに聞く「【初心者必読】成功するイベント・セミナーの作り方」
第9回目テーマは「会場入り後に確認すべきこと」です。

前々回の第7回では来場者管理と備品管理前回の第8回では音響・映像などの機材やその環境について取り上げましたが、イベントの事前準備はそろそろ整いましたでしょうか?今回はいよいよイベントの設営日や当日を迎え、会場に入ったときおこなうべき準備や確認についてお話ししてもらいます。

目次

会場に入ってからチェックすべきこと

――設営日がある大きなイベントなら設営日に、小さなイベントなら当日に会場入りをしてからお客様が入るまでの間、どんな準備をしておくべきなのでしょうか?
ひととおりの設営が済んだ後は、ぜひ来場者の視点で会場内をぐるりとまわってみてください。
○建物の入り口がわかりづらい
○建物の入り口はわかりやすいけれど、イベントホールの入り口がわかりづらい
○駐車場やタクシー乗降場所から入り口が遠い
○展示会場のあるフロアまで行くエレベーターが遠い
○エレベーターやエスカレーターが小さく込み合いそう
○受付の看板が待機列で隠れてしまいそうな位置にある
○喫煙所やお手洗いへの案内板が少ない
などなど、小さな不安・不満を洗い出してみましょう。こういったときも来場者管理の心構えと同じく(第7回参照)「意地悪な視点」が役に立ちます。
特に注意が必要なのは、混雑時の状況想定。人がたくさん滞留しそうな場所でも、案内板や案内人は隠れてしまわないでしょうか?見つけやすく、それでいて邪魔にならないところに看板やスタッフを配置する、混雑状況に応じて配置を変更するオペレーションを用意しておくなど、何かしらの対策を講じておきましょう。
――会場側の設備や備品について確認しておくべきことはありますか?
見落としがちなのが、自販機近くのゴミ箱や喫煙所の灰皿です。それらの管理は誰がどのようにおこなうのか把握できていますか?会場側のスタッフがこまめにチェックしてくれるのならいいのですが、交換してほしいときにはお願いをしに行かないといけないのか、あるいはゴミ袋の取り換えなども自分たちでやらなければいけないのか、そういった会場のスキルはお客様が入る前に必ず確認しておきましょう。
また、トイレットペーパーの補充なども同じように抜けがちな点ですね。演の合間などお手洗いの利用が増える前後に補充や清掃に入ってもらうよう手配したり、トイレットペーパーのストックや清掃用具のある場所を教えてもらったりするなど準備を忘れないようにしてください。
本番直前ともなると運営責任者には余裕がなくなってしまうかもしれませんが、一度落ち着いて来場者の気持ちになって会場内をゆっくり歩いてみましょう。
ポイント
  • 開場前に必ず「来場者目線で」さまざまな場所を見てまわること。
  • 会場のスキル=設備の点検や備品の補充をどの程度おこなってくれるか の確認も忘れずに。

受付まわりで気をつけるべきこと

――カウンターに座って来場者をさばくだけなんて思われがちな受付ですが、実はとても重要なポジションなんですよね。どのような点に気をつければいいのでしょうか?
受付はイベントの顔。そのイベントのファーストインプレッションは受付で決まるのですから、本当に重要なポジションです。対応は「きれいに丁寧にスムーズに」を心掛けましょう。
気をつけるべきことといえば、見せたくないものをきちんと隠すということがまず挙げられますね。PCで受付をする場合は来場者に画面が見えないよう、高さを調整したり仕切りを置いたりしましょう。個人情報にとても敏感な時代なので、情報の取り扱いには細心の注意を払ってください。
また、来場者への配布物の置き場所にも気を配りましょう。床に置いてあるのが見えるとあまりいい気はしません。配布物などのストックは、ボックスにしまったり受付カウンターの下にしまいこんだりするなど、来場者の目の届かないところに配置するのがいいかと思います。
そしてイレギュラー対応の準備は徹底的に。第7回の来場者管理のポイントですでにお伝えしましたが、当日の受付にどんな状況の方がやって来るのか、可能な限りいろいろなパターンを想定し準備しましょう。想像力を働かせてとにかく意地悪に「こんなパターンだってあり得るかもしれない」ともしものパターンを挙げていってください。イレギュラーが発生しても、それがシミュレーションされたものならば、落ち着いて対応することができます。愛想よく臨機応変に、とはいえ事前の準備はしっかりと。それが受付の鉄則です。
ポイント
  • 個人情報や配布物など、見せるべきでないものはしっかり隠すこと。
  • 想定外を減らすため、たくさん想像し想定を広く持つこと。

本番が間近ともなると気持ちが落ち着かず、些細なことで焦ったり不安におちいったりすることもしばしば。そんなときこそ、こういったイベント運営のヒント集だったり、自分たちで練り上げてきた計画書やマニュアルを読み返して、心を落ち着かせましょう。地道な下準備の積み重ねこそが、イベント当日の余裕を生みます。気を抜かず、しかし気を張りすぎず、運営スタッフ一丸となって本番まで駆け抜けてください。

さて次回は、登壇者対応などステージまわりで気をつけたいことをお伝えします。事前にどんな準備をすればいいのか、当日にどんな注意を払うべきなのか、具体的にご紹介していきます。
どうぞお楽しみに!

取材協力:前野 伸幸(まえの のぶゆき)
株式会社ホットスケープ 代表取締役。
27年前の独立起業当初より、多くの大手企業からのミーティング・インセンティブ・各種セミナー・イベントを直接受注。企画・進行・運営をワンストップで数多く手掛けている。
その一方で、イベント施設・会議施設のコンサルタント・運営でも多くの実績を残す。「虎ノ門ヒルズフォーラム」のコンサルタントを自らが担当し、さらに「六本木アカデミーヒルズ」も加えた両施設の運営・管理業務も受託。また宮崎の「フェニックス・シーガイア・リゾート」のコンベンションセンターのリニューアルにて、マーケティングリサーチから発注先選定・機材選定や営業戦略策定まで広域にわたるコンサルティングを担当。
施設を貸し出す側と施設を利用する側の双方の立場で経験を積み、そのノウハウを活かして活躍中。
http://www.hotscape.co.jp/

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