「会議室.COMセミナー in 大阪 2017 スマート会議を進めるためのこれからの会場のあり方」と題して、2017年5月10日、グランフロント大阪タワーにてセミナーを開催し、貸し会議室やレンタルスペースの運営者・オーナー様を中心に80名近くのお客様にご参加いただきました。
基調講演には株式会社コラボラボの横田響子氏にご登壇いただいた後、協賛4社様による各種最新ソリューションのご紹介をさせていただきました。
イベント概要
会議はビジネスにおいて非常に重要なものであり、厳しい競争社会の中で企業が成果を残すには、社員たちが活発に意見を交わせる、効率の良い会議を行う必要があり、年々その重要性は高まっています。
効率の良い、すなわち質の高い会議を開くためには、議事進行のテクニックはもちろん、会議する内容に応じた設備や環境を整えることも重要な要素であります。
会議室.COMでは今春(2017年2月)、会議の中心となるビジネスリーダーをターゲットとした会議に役立つ情報提供を行うオウンドメディア「会議HACK!」をオープンいたしました。
従来までは、会議室.COM掲載企業様を対象として会場運営に有効な情報提供を行ってまいりましたが、より多くの貸し会議室運営者様に、施設向けの設備提供の推進をし、「会議室を利用する側」「会議室を提供する側」双方向に有益な情報提供を行うことで、利用者の会議の効率化に寄与しビジネスが円滑に進むよう、また貸し会議室市場のさらなる発展の一助となることを目的とし、本セミナーを企画いたしました。
- セミナー概要
- 開催日時:2017年5月10日(水) 14:00〜17:00 (受付開始 13:30)
開催場所:ナレッジキャピタル C03+C04(グランフロント大阪)
定員:100名
参加費:無料(登録制)
- セミナー内容
- ・基調講演(40分)
・出展社セミナー(4社 各25分)
・会議室.COMからのお知らせ、アンケート、個別相談会、出展社ショールーム見学会 他
<会議HACK!オープン記念 基調講演>スマート会議を成功に導く会場のポイント
女性起業家支援を目的としたコミュニティサイト「女性社長.net」の代表で、株式会社コラボラボの代表取締役でもある横田響子氏をお招きし、基調講演を行いました。
「会議HACK!」WEB本編では、運営者としての立場からスマート会議実現のためのノウハウについて語っていただきましたが、今回の基調講演では、会議室の利用者目線でスマート会議を実現するための会場選びをご紹介いただきました。
- 【利用者に選ばれる会議室とは】
- 会場を選ぶ一番の優先順位は、当たり前すぎますが立地と価格です。次に、雰囲気を取るのか安さ重視なのか、会議のコンセプトをはっきりさせます。スマートな会議運営のためには、IT環境といった設備の充実も欠かせません。
「また次回も使いたい」、そう思わせてくれるのは利用者の負担を減らしてくれるサービスです。「あったらうれしい」をいくつかあげてみますと、1つ目は配付資料のサポート。印刷会社からの直接送付を受け付けたり、現地での印刷が可能であったり、会場の貸出タブレットでペーパーレスにできれば、ずいぶん助かります。
2つ目はITサポート。テレビ会議に遅れて参加される方がいる場合でも、問題なく繋がるかを事前に確認できるだけで、安心して会議にのぞめます。
3つ目は、ホテルライクなサービス。周辺のコンビニやお勧めの店が掲載された地図や「女性受けのいいケータリングがありますよ」「おしゃれなお水ならこのメーカーはどうですか」というような参加者の満足度を高める情報提供もありがたいものです。
さらに付け加えると、フォトジェニックであることは、利用者はもちろん、会議室にもメリットを生みます。参加者が楽しんで写真を撮り、積極的にSNSへ投稿することで宣伝となり、それを目にした自治体から事業委託が舞い込んだ事例もあります。
- 【他業種参入にも負けない特徴ある会議室作り】
- 会議をめぐる環境の変化として一番に上げられるのは、予定調和を大切にする会議からクリエイティブな発想を求める会議へのシフトです。ソファを用いた自由度の高い研修会場や、おやつを常備する役員会議、雰囲気のよいカフェでの開催など、自由闊達なアイデアが出るよう、工夫を凝らす企業が国内外問わず増えてきています。
社外との協同や女性の参加も増えつつある中、多様な人々・価値観が入ってくると「おしゃれ」「かわいい」といった今まで顧みられなかったキーワードも意味を持つようになります。また、より無駄のない会議も同時に求められます。ある会議では、プロジェクターに2つの異なった資料を表示し、現在進めている資料を見つつ、もう一方の資料には、修正点をリアルタイムで書き加えていきます。その場で資料を作り上げ、短時間で意思決定と役割分担を行い、次の会議では進捗を報告するというまさしくスマートな会議でした。
同じITつながりでは、30人程度のセミナーをライブ中継したことがあります。後日アーカイブ化することで、最終的には2万人を越える方に視聴いただきました。このようにIT産業を上手く使いこなせる場を求めているクライアントも今後増えてくるのではないでしょうか。
今まで会場として選ばれなかったレストランや空き家、お寺、最近ではカラオケルームまで参入し、会議室の選択肢は格段に増えています。ターゲットと特徴を明確にして、「○○エリアで○○をするならうちが一番!」を突き詰めた会議室作りをしていただければと思います。
- Profile:横田 響子 氏(よこた きょうこ)
- 株式会社コラボラボ代表取締役。 1999年に株式会社リクルートへ入社し、人材部門を中心に営業や事業企画および新規を経験後退社。2006年、株式会社コラボラボ設立。2,000社を超える女性社長が参加するコミュニティをサポートしつつ、女性社長を紹介する「女性社長.net」 や女性社長300名が集結するイベント「J300」 を企画運営している。
関連リンク:
「会議のプロ」コラボラボが実践する“発言しない人”をつくらない会議術【スマート会議術第5回】
<出展社セミナー1>貸し会議室・ホールにおけるWi-Fi環境構築
株式会社フルノシステムズは、船のレーダーや魚群探知機で世界的なシェアを有する無線機器などのメーカーの古野電気が、無線技術を産業用途で活用しようと設立した子会社です。宇宙センターの無線、ハンディターミナルなど、無線技術のノウハウを業務用製品に活用している同社に、業務用無線LANの利点について語っていただきました。
営業本部 第二営業部 関西支店
中村 吉生 氏
- 【業務用無線LANで快適な施設運営をサポート】
- 会議室では遅滞なく、安定した通信が安全に確保できるアクセスポイントが求められます。それらを追求したのが業務用の「ACERA」シリーズです。速度と安定性に優れた「1020」「1010」と、動画にも対応した「950」「850F」の4種類をご用意しました。
同じ周波数を使う電子機器はお互いが干渉し合うことがあります。「干渉派フィルタリング」という独自機能を搭載することで、安定した接続を確保しました。さらに「1020」は最新端末の性能を活かす「無線通信公平化」機能や、空いている周波数に接続を促す「無線バンドステアリング」機能を合わせ持ち、会議室など混み合う場所で実力を発揮します。また「UNIFAS」という複数拠点の無線ネットワークを一括監視するシステムと組み合わせることで、無線ネットワーク管理システムとして機能します。
導入事例として、アスノシステム様にコンサルティングいただいた新宿NSビル様を紹介いたします。様々なシーンで柔軟に対応できる機能を求めていらっしゃったので弊社の製品を採用いただき、大きなビルの3フロアを先端化されました。1つ目のフロアは、レイアウト変更時にセキュリティ環境も変更し、安全な運営を可能としました。
次は会議室。お客様にその時だけ有効な権限をお渡しすることで、すぐにWi-Fiが活用できる環境が実現しました。
最後はイベントホールの天井に固定で9台アクセスポイントを設置しました。アクセスポイント1台で約100台の端末に繋がりますので、たくさんの方が詰めかけても安定してご利用いただけます。
家庭用に比べ、遙かに性能や機能が豊富な業務用のアクセスポイント。多拠点の一元管理は必要か、メンテナンス性はどうか、システムを入れることで何ができるのかをコストとの兼ね合いを考えて選んでいただければと思います。
<出展社セミナー2>スマートな会議を実現するワークスタイル変革ソリューション xSync
映像・音響機器分野ですぐれた技術力に定評のあるパイオニア株式会社。その業務用部隊として誕生したパイオニアVC株式会社は、ソフトウェアの開発と販売を行っています。教育の現場で広く普及している電子黒板や、緊急時の対策基地でのWEB会議を応用した技術で注目を浴びる同社に、デモンストレーションを交えながら、ITツールをご紹介いただきました。
営業部 部長
志富 尚 氏
- 【資料を使った会議の質と効率を大幅アップ!】
- これからの日本は人口、ひいては労働力の減少が社会的な課題となります。その解決策の一端として、会議室の効率化に注目いたしました。
「xSync Office(バイ シンク オフィス)」は複数のパソコンの画面を1つの大型ディスプレイに同時に表示できるシステムです。先の基調講演でもご紹介されていた機能で、資料の共有、比較、書き込みなどが1つのディスプレイ上でリアルタイムに、しかもワンボタンで簡単に実現することにより、会議の効率化を図ります。
お客様の持ち込み端末のつなぎ替えやデータの移し替えをすることなく、利用できますし、一度使えばデスクトップ上のアイコンをクリックするだけ。どの会議室でも使えるようにすることでリピート率のアップにもつながるのではないでしょうか。
次に遠隔地の会議室同士をつなぐ、「xSync Prime Collaboration(バイ シンク プライム コラボレーション)」をご紹介いたします。
実際にこの会場と弊社の東京本社とをつなげてみましょう。まずお聞きの通り、WEB会議で一番重要な音声が非常にクリアに、途切れや遅滞なく聞こえます。「これはパイオニア音質」と申しまして、長らく業務用のカラオケに携わってきた技術を活かしたものです。またこのようにお互いの書き込みがリアルタイムに反映されますので、設計図や数字を示しながらの会議が可能となり、まるでその場にいるような一体感を感じられます。
「複数の部屋を1つの大きな会場として使えないか」「東京のイベントに大阪のお客様を参加させたいので、会議室同士をつなげられないか」など、貸し会議室からの問い合わせも増えてまいりました。会議室設備としての付加価値の他に、新たなニーズの取り込みにも活用していただければと思います。
<出展社セミナー3>最先端のAV会議ソリューション
ヒビノインターサウンド株式会社からは、同社が取り扱うシュア・ジャパン株式会社の製品を紹介いただきました。アメリカ・シカゴに本社のあるシュアは1925年に創業した老舗のマイクメーカー。これまで培ってきた経験を会議室で活用させようと力を入れているのが今回ご紹介する設備用のソリューションです。
(※講師:シュア・ジャパン株式会社 大友 裕己 氏)
- 【業界随一の製品群の中から幅広い提案を】
- 短時間で成果の出るスマートな会議をサポートする、最新の製品をご紹介させていただきます。1つ目は4本分のマイクを1台に凝縮した「テーブルアレイマイクロホンMXA310」。集音エリアを自由に設定することで、会議ごとに最適な集音パターンに変更できます。業界初の「トロイド」という指向性パターンも搭載。上下の雑音をカットしながら水平方向の会話を満遍なくカバーすることで、すっきりした集音が実現しました。
「ネットワーク型デジタルアレイマイクロホンMXA910」は天井面に設置するパネル状のマイクです。発言者の口元を狙って集音することで、遠くの話者が耳元で話しているかのような集音が可能に。マイクを意識せずに発言できるのでクリエイティブな発想やコミュニケーションを形成するサポートができるのではないかと期待しています。
「Microflex Wireless System」は最先端のワイヤレスソリューションです。発言者が会議室の中を自由に動き回ることで、会議に動きを生むでしょう。マイクの形状は一般的なハンドヘルド型、ボディーパック型の他に口元にのびてくるようなブースメントマイクなどもワイヤレスで提供しております。卓上に設置して集音するバウンダリー型は取扱いが少ないため、この製品をと、わざわざご指定いたただくことの多いマイクです。
以上のマイクは全てLANケーブルで接続しており、離れた場所からマイクの使用状況を監視できます。軍用に開発された暗号化技術を採用しておりますので、盗聴されることはほぼありません。1.9GHzという新しい周波数を使用していることと、混雑すれば自動的に周波数を変更する「周波数コーディネーション」も搭載していることから、混線の可能性が非常に低いというのも利点です。
最後にご紹介させていただくのは、同時通訳にも対応している「DDS5900」というデジタル会議システムです。マイクを250台まで増設することで、かなり大規模な会議への対応が可能です。このようなシステムでより会議の成果を高めていただければと思います。
<出展社セミナー4>『会議の会話が漏れてませんか?』音環境ソリューション
文具やオフィス家具、事務機器を製造・販売するコクヨ株式会社のグループ会社、コクヨエンジニアリング&テクノロジー株式会社。同社が10年に渡り取り組んできた、オフィス内の音環境を様々な視点で改善・コントロールするサウンドソリューションを紹介いただきました。
西日本統括部 西日本設計工事部 設計グループ 課長
川上 隆史 氏
- 【音の悩みを改善し、快適で効率的な空間に】
- 事業者様へのアンケートでは「会話漏れが気になり会議に集中できない」「安心して商談ができない」という意見が共に六割を越えたにもかかわらず、その対策を講じている会社は一割にもいたりませんでした。なかなか音環境対策が実現できない中、弊社では「音環境のABC対策」を提案しております。
AはAbsorb(吸音)。反響がひどい場所では、吸音材を使用したパネルをマグネットで貼り付け、音の反射を抑制することで、居心地を改善します。
BはBlock(遮音)です。従来からある方法で、壁で音を遮ります。ですが昨今のシステム化されたビルでは、天井裏や床下、排気ダクトを伝って音が漏れるので、あまり効果が望めないこともあるでしょう。
そこで、CのCover(マスキング)、音のベールで音を包み込む、サウンドマスキングシステムを開発いたしました。
注意していただきたいのは音に対し逆の位相の波形を与えて消音するノイズキャンセラー付きヘッドフォンなどとは原理が違うということです。サウンドマスキングは漏れてくる音に対して、音をかぶせることによりマスキングレベル以下の音は聞こえず、それ以上の音も音量差が圧縮され、気にならなくなるというものです。
間仕切りのある会議室や応接室では、隣室の会話がほぼ聞こえなくなります。オープンスペースでは、影響範囲が半減するという効果があるため、コールセンターや病院などでも採用いただいています。
感覚商品ですので、字面だけではなかなかご理解は難しいですが、体感設備が全国に増えると共に、多くのメディアに扱っていただくようになり、知名度もあがってまいりました。ご興味をお持ちの方は、ぜひ体感設備をご利用ください。
まとめ
「会議室を利用する側」「会議室を提供する側」双方向に有益な情報提供を行うをコンセプトに、『オンラインの「会議HACK!」×リアルイベント』として初の試みとなった本セミナーは、会議室.COMの今後の1つのあり方となったと考えます。今回の大阪を皮切りに、関西、東京と全国展開しながら今後も継続的に様々な分野の会議運営に有用なソリューションを発掘・ご紹介し、また「会議HACK!」では引き続き会議に役立つ情報を提供していくことで、業界全体を発展させていきたいと考えております。
ギャラリー
- 会議HACK!編集部
- 会議HACK!編集部です。
会議に関するお役立ちノウハウ・会議術や、各界の有識者へインタビューを発信し、すべてのビジネスパーソンに役立つコンテンツをお届けします。
また、会議HACKの姉妹サイトでは企業のあらゆる場所探しをお手伝いしていますので、ご興味ある方はぜひご利用ください!
> 貸し会議室探しなら:国内最大級の貸し会議室検索サイト「会議室.COM」
> レンタルオフィスを探すなら:「レンタルオフィス.com」
> 研修施設を探すなら:研修・合宿施設検索サイト「CO-MIT」