大崎駅東口に今年6月、臨海都市品川の象徴である“船”に想いを乗せた、品川産業支援交流施設「SHIP」が開業する。 品川区では、柔軟で斬新な発想を取り入れた事業展開をしていきたいと指定管理者制度を導入した。 (一財)品川ビジネスクラブが4階の会議室と交流スペースを担当し、民間ホール運営で豊富な経験やノウハウを持つ(株)マグネットスタジオが3階の大崎ブライトコアホールを管理する。両社は共同事業体としてそれぞれの強みを活かして運営していく。

大崎ブライトコアホールの439.1㎡のホールは２分割可能で３面の大型スクリーンを持ち、セミナーに最適な構造となっている。またガラス張りで高級感のある217.6㎡のホワイエは占有可能で、バーカウンターでの飲食の提供もできるため、参加者の交流会などワンランク上のセミナーが実施できる。そうした高級感と公共の施設ならではのリーズナブルな料金設定が両立できることも魅力の一つだ。 6月1日よりオープンする半年前より既に、品川周辺の医療関係やIT企業などマグネットスタジオの既存顧客から多くの問合せがある。また東京ビッグサイトからりんかい線で直結しているため、大規模展示会との相乗効果を期待して、会期に合わせた自社展示会や商談会、セミナーを企画する関連分野の企業など、これまで利用実績のなかった企業からも引き合いが増えているという。

大崎ブライトコアホールの特徴は、占有ホワイエなどの高級感、好立地、そしてリーズナブルな価格だ。しかし、それ以上にイベントホールの使いやすさを左右するのはサービスする“人”だ。大坪さんは、「施設運営者にとってはいつもの一日かもしれませんが、主催される方にとってイベント当日は１年の集大成。その期待に応えるために、ただの場所貸しではなく、自分が関わることで、スムーズな進行ができるようになったり、イベントに面白みが加わったり、価値があがったり、そういう存在になりたいです」と想いを語る。 もうひとつ、マグネットスタジオが重視しているのが、安全面への配慮だ。通常の利用で主催者に評価されることはないが、設備の安全性の確認や非常時の危険回避や備蓄の確保など、日常においても災害に備えた準備をしている。「大崎ブライトコアホールには400人以上を収容します。多くの方が施設に初めて来るため、適切な避難誘導など施設側のわたしたちの対応に多くの方の命や安全がかかっていることを常に意識しています」と語るように、マグネットスタジオでは施設運営のプロとしてあらゆるリスクへの対処を行なっている。

会場の設計段階からコンサルティングまで使いやすさを追求し運営する「浅草橋ヒューリックホール&カンファレンス」、開業から15年経過する会場の新運営者として利用者目線のサービス改善や新規ユーザー層の開拓を進める「品川インターシティホール&貸会議室」、そして初めて指定管理者として受託し地域貢献を目指す「大崎ブライトコアホール」など、マグネットスタジオは意欲的にタイプの異なる施設を運営する。 共通しているのは、会場単体での利益にとらわれず、会場を集客の起点として捉え、地域全体を活性化しようという“街づくり”の視点での運営方針だ。さまざまなタイプの施設運営やイベント開催で得た多種多様なノウハウを、常に各ホール担当者が共有するため、運営会場の数が増えるたびに、同社のサービス品質は加速度的に向上している。 利用者とのコミュニケーションを欠かさないからこそ、ひとに適した会場づくり、さらにはその街に適した会場づくりができるのだろう。