外出自粛の環境下でやむなく導入した企業も多かったテレワークも、働き方の選択肢のひとつとして定着しています。それに伴い、対面で実施されていたセミナーや講演会、研修なども、オンライン配信の「ウェビナー」と呼ばれるスタイルでの開催が目立つようになりました。
ウェビナーは、開催者と参加者の双方に多くのメリットがある手法です。ただし、配信環境や方法など、開催にあたって気をつけるべき点も少なくありません。
本記事では、参加者の満足度の高いウェビナーをスムーズに開催したいと考える企業向けに、ウェビナーの特徴やメリットのほか、会場開催型セミナーとの違いについて解説します。
ウェビナーとはオンライン上で開催するセミナーや講演会のこと
ウェビナー(Webinar)は、「ウェブ(Web)」と「セミナー(Seminar)」から成る造語で、オンライン上で開催されるセミナーや講演会のことです。ほかにも、「Webセミナー」「オンラインセミナー」と呼ばれることもあります。まずは、ウェビナーの特徴と注目された背景について見ていきましょう。
- ウェビナーの特徴
- かつて、セミナーや講演会といえば、大規模な会場を確保して集客し、対面で開催する会場開催型セミナーが一般的でした。対してウェビナーは、オンライン上に設けたバーチャル会場に参加者を集め、Web会議システムなどを通して動画や画面を共有することでセミナーを開催する手法です。
- ウェビナーの強みは、人数の縛りなく世界中から参加者を募れるため、対面でのセミナーよりも幅広い層にアプローチできることにあります。チャット機能やアンケート機能を活用すれば、開催中に双方向型のコミュニケーションをとることも可能です。
- ウェビナーが注目された背景
- 元々、国土が広く対面でのコミュニケーションに限界がある欧米では、ウェビナーが活用されていました。日本で注目されるようになったのは、新型コロナウイルス感染症の拡大がきっかけです。
- 多くの人が一堂に会する展示会やイベント、セミナーの多くが延期や中止にせざるをえない中、リアルで人を集めなくても目的を果たせるウェビナーを導入する企業が増加しました。コロナ禍が落ち着きを見せ、会場開催型のセミナー開催が復調した後も、働き方の多様化にフィットする手法として、今なお多くの企業が活用しています。
ウェビナーを利用する目的
企業がウェビナーを開催する目的は、採用活動や研修、新規リードの獲得や既存顧客のフォローなどさまざまです。実際の活用シーンについて見ていきましょう。
- 採用
- 採用説明会をオンラインで開催する企業も増えています。遠方にいる人材にもアプローチできるため、採用の母数を拡大するのに役立ちます。
- 研修
- 近年多いのが、ウェビナーで社内向けの研修などを実施するスタイルです。拠点数の多い企業などでは、参加する従業員の移動の手間とコストを削減できます。
- 新規リード獲得
- 従来の展示会やセミナーをオンラインにシフトして実施することで、幅広い地域から参加者を募れる上に、参加申込み時に顧客情報を得られます。受注や商談へとつなげるためのマーケティング活動である、リードナーチャリングにつなげやすいでしょう。
- 既存顧客のフォロー
- カスタマーサービスの一環として、ウェビナーを利用することも可能です。商品やサービスを利用中の顧客に対して、より便利な使い方の説明や新商品の案内などを定期的に行ってフォローアップできます。
- 遠方の投資家とのコミュニケーション
- 株主総会や決算説明会などをウェビナーで実施することで、直接出席できない遠方の投資家もアプローチが可能になります。近年重視される、投資家とのコミュニケーションを密にとることもできるようになるはずです。
ウェビナーのタイプ
ウェビナーのタイプは、配信方法によって大きく「リアルタイム配信」と「録画による配信」の2つに分けられます。それぞれの特徴について見ていきましょう。
- リアルタイム配信
- リアルタイム配信は、あらかじめ決めておいた日時に即時配信する方法で、ライブ配信と呼ばれることもあります。
リアルタイム配信の最大のメリットは、その場で参加者とコミュニケーションがとれること。アンケート機能を使ったり、参加者の希望に合わせて配信内容を組み替えたりするなど、ニーズに合った配信によって満足度を高めることを可能にします。
著名な登壇者や、自分が愛用しているサービスの開発者などと直接対話できる特別感を提供できるのもリアルタイム配信ならではの魅力です。 - 一方、配信トラブルが起きる可能性があることを踏まえて、事前の準備は念入りに行う必要があります。音声や映像が乱れると、参加者の満足度が下がってしまうからです。
また、対面に比べて集中力が散漫になりやすく、聞き逃しが発生しやすいため、対面以上に参加者を引き付けるコンテンツ内容が求められます。
- 録画による配信
- 録画による配信は、事前に行ったセミナーを録画しておき、必要なときに配信する手法です。
リアルタイム配信と同じように時間を限定して配信する場合と、ライブ配信後に映像データをアーカイブとして公開し、参加者の好きなときに視聴できるようにする場合があります。登壇者の調子や会場の様子が内容に影響を与えることがあるリアルタイム配信と違い、録画配信は常に一定のクオリティを保つことが可能です。
- ただし、リアルタイム配信の動画を録画配信用に編集したり、データを公開するためのサイトを作ったりする手間と時間を考慮し、十分な準備期間と人員の確保が必要です。
また、ウェビナー参加者の反応をその場で確認することができないため、理解度や効果を直接把握しにくい傾向があります。
ウェビナーのメリット・デメリット
ウェビナーは、開催者側にも参加者側にも多くのメリットがある一方、デメリットも存在します。
ここでは、それぞれのメリット・デメリットを確認しておきましょう。
■ウェビナー開催側と参加者側のメリット・デメリット
- 開催側のメリット・デメリット
- 開催側にとって最大のメリットは、アプローチできる範囲が広いことです。開催地から遠い国内の地方都市はもちろん、海外からも参加者を募ることが可能です。また、これまでとは異なる層を対象とすることで、新規顧客を獲得できる可能性が高まります。
- 参加人数が多くても大規模な会場を借りる必要がなく、コストを抑えられることもメリットのひとつでしょう。受付の設置など、会場設営の準備も不要です。また、感染症の流行や天候による交通機関の乱れといった外的要因に参加率が左右されにくく、当初の予定どおりに開催することができます。
- デメリットとしては、講演や研修の品質が通信環境に依存することです。画像や音声の質が悪いと参加者のストレスになり、離脱や満足度低下の原因に。ウェビナー開催時には、機材や配信環境を万全の状態にしておくことが大切です。
- 参加者側のメリット・デメリット
- 参加者側のメリットは、対面に比べて参加のハードルが低いことです。タブレットやスマートフォンから場所を選ばず手軽に参加でき、移動のための交通費もかかりません。画面オフで参加すれば、身なりを気にする必要もないでしょう。
- ただし、ウェビナーに使用されるツールが使えないと参加することができません。インターネット環境が不安定な場所から参加した場合、うまく視聴できない場合があることにも注意が必要です。
また、手軽である分、1回のウェビナーに対する熱量に欠け、集中力が続かない可能性があります。アーカイブを視聴する場合、疑問点をその場で解決できないこともデメリットだといえるでしょう。
ウェビナーと会場開催型セミナーの違いとは?
ウェビナーのメリット・デメリットを把握したところで、従来型の会場開催型セミナーとの違いについて確認しておきましょう。
ウェビナーと会場開催型セミナーにもそれぞれメリット・デメリットがあり、目的によって使い分けることでセミナーや研修をより効果的なものにすることができます。
■ウェビナーと会場開催型セミナーの特徴
- 形式
- ウェビナーはインターネット上のバーチャル会場で開催されるため、大規模な会場を押さえる必要がありません。よって、参加者は開催場所までの距離や開催時間を気にせず、どこからでも参加できます。
対して会場開催型セミナーの場合、開催側は会場を確保し、参加者は実際に足を運ばなければなりません。
- 準備
- 実際の会場に参加者を集める会場開催型セミナーでは、参加者の出欠席を確認するための受付や、会場の内のテーブルと椅子、会場の案内役などをまえもって設定する必要があります。配布資料も人数分用意し、受付に準備、あるいは各席に配布しておかなくてはなりません。
ウェビナーの場合、開始にあたって必要なのは機材と投影資料です。必要に応じて、資料をオンライン配布することもできます。
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- コスト面
- 会場開催型セミナーの場合、会場費用、受付スタッフ・案内スタッフなどの人件費や、配布資料の印刷代などがかかります。
ウェビナーの場合、必要な機材がそろっていれば、通信費のほか登壇者への謝礼程度で出費を抑えられます。
- 開催規模
- ウェビナーの開催規模は、リアルの会場が必要な会場開催型セミナーと違い、集客人数に左右されません。参加希望者の数に応じて、大規模でも小規模でも開催が可能です。
会場開催型セミナーは、参加者数に応じて規模が決まります。参加人数が決まってからの予約では、会場を抑えられないリスクがあるため、ある程度参加人数の予測を立てて予約しなければなりません。そのため、蓋を開けてみたら想定より申込みが多くても会場を変更できず、機会損失につながることがあるでしょう。
反対に、押さえた会場の規模の割に参加者が集まらず、会場費用が無駄になってしまうことも考えられます。
参加者にストレスのない環境でウェビナーを開催しよう
ウェビナーは、会場開催型セミナーに比べてかかるコストや手間が少なく、参加者を集めやすい手法です。しかし、動画や音声に難があると参加者の満足度は半減し、期待する効果を得ることができない可能性も高いでしょう。
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開催者にとっても、参加者にとってもストレスのない環境でウェビナーを開催し、新規顧客の開拓や既存顧客との信頼関係を強化するほか、採用の拡大や企業ブランディングなどにつなげてみてはいかがでしょうか。
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