イベントの企画・運営前の総復習【成功するイベント・セミナーの作り方 第12回】

イベントの企画・運営前の総復習【成功するイベント・セミナーの作り方 第12回】

イベント専門のコンサルティング会社ホットスケープの代表 前野さんに聞く「【初心者必読】成功するイベント・セミナーの作り方」
この第12回の総復習でついに終わりを迎えます。

イベントの企画を任されたときや準備がいよいよ佳境に差し掛かるときに、この連載のどの部分を読み返すべきかわかるようにまとめたのが今回の総復習です。第2回~第11回の内容の簡単な要約とリンクを挙げていきますので、現在の状況に役立ちそうなものからご覧ください。

目次

【第2回】そのイベント、何のためにおこなうの?イベント企画の際に最も重要なポイントとは

イベントを企画するとき、まずはっきりさせるべきはイベントの目的。この記事では、なぜそのイベントをおこなうのか、そしてどのような状態を作り出せれば「成功」といえるのかということを定義する大切さがわかります。

企画が進むにつれ、会場や予算、集客方法などさまざまな選択をすることになり、時には立ち止まって悩んでしまうことも。そんなときはそのイベントのゴール、つまりイベントの目的を思い出すと案外すんなりと企画を前に進めることができます。

第3回以降の記事の内容だけ知りたいと思った方も、イベントにおいて最も大切で根幹的な「イベントの目的の明確化」を扱った第2回をぜひ読んでいただければと思います。

キーフレーズ
  • 「物でなく物語」を持ち帰ってもらう
  • 表彰式は表彰される人のためのイベントではない

>>【第2回】そのイベント、何のためにおこなうの?イベント企画の際に最も重要なポイントとは

【第3回】企画書はラブレター?イベントの魅力が十二分に伝わる企画書・計画書の作り方

イベント企画書をまったく書いたことがなく、「どこから手をつけたらいいのかわからない…」という方にぜひ目を通してもらいたいのがこの記事。企画書のフレームワーク6W2Hを紹介しながら、初心者でも内容の詰まった企画書を書けるようになるヒントがたくさん詰まっています。

また、誰しもが悩む予算管理についても、さまざまな例を挙げながら解説。外注なんてもったいないと決めつけず、社員の労力もコストに入れて全体の収支を確認することが大切なのです。さらに、企画書の書き方だけでなく渡し方のコツまでもお伝えしています。

キーフレーズ
  • 企画書はラブレター
  • いい企画書はエレベーター内で説明しきれる
  • 見えないコストを可視化しトータルコストで比較すること

>>【第3回】企画書はラブレター?イベントの魅力が十二分に伝わる企画書・計画書の作り方

【第4回】会場が公表しているキャパ数を疑え?失敗しない会場選び、手順と考え方をご紹介

会場の管理や貸し出しをする会社での勤務経験がある前野さんだからこそわかる、会場選びの細かなポイントをたくさん紹介しています。下見に行った際に観察すべきもの、質問すべきことを挙げていますので、いくつかの候補で迷っているという方はぜひチェックしてみてください。

最寄り駅から会場までの道のり、携帯電話の電波など、大切なのになかなか気が回らない確認項目も少なくないはず。そして何より忘れてはいけないのが、「そのイベントの目的」。イベントのゴールに合った会場を選び取るという意識を常に持っておきましょう。

キーフレーズ
  • 100点満点の会場なんてない
  • 会場の下見は男女ペアで行くのがおすすめ
  • 目に見える物だけでなく目に見えないルールがコストを左右する

>>【第4回】会場が公表しているキャパ数を疑え?失敗しない会場選び、手順と考え方をご紹介

【第5回】スポンサーの募集も一括で?最新ツールを駆使した効率の良いイベント集客とは

とりあえず招待メールをたくさん送るとか、豪華なノベルティを配ってとにかく人を寄せるとか、そんな安易な方法に頼っていませんか?イベントの目的やターゲットに合っていない集客の仕方は、意味がないというだけでなく余計なコストをももたらします。

集客方法を検討するときにもやっぱり立ち返るべきは「イベントのゴール」です。集めたいお客さんによってアプローチの方法も変わってくるのですが、この回では主にITツールをいかにうまく使うかという点に注目しました。アーリーバードチケットやクーポンコードの発行、工夫次第でスポンサー集めまでもできるWeb受付サービスについても触れています。

キーフレーズ
  • 目先の数字にとらわれない
  • 情報は小出しに少しずつ、接触時間を延ばし接触回数を増やすこと

>>【第5回】スポンサーの募集も一括で?最新ツールを駆使した効率の良いイベント集客とは

【第6回】「運営」では何を目指すべき?イベントを成功に導く「運営力」の高め方

運営とはどんなことを指すのでしょうか?運営の目指すところとは?といった質問にすらすらと答えられる方はそう多くはないでしょう。当日限りのアルバイトスタッフもひとりひとり名前を読んであげるなど、関わるスタッフ全員のモチベーションを上げるコツをたくさん紹介しています。

また、絶対に作ってほしいのが運営マニュアル。確かにいいマニュアルを作成するのはとても難しいのですが、A3用紙1枚でもいいので作ってもらいたいものです。マニュアルにどんな内容を記載すればいいのか、次回以降にそのマニュアルをどう役立てられるのか、わかりやすく解説していますのでぜひ読んでみてください。

キーフレーズ
  • お出迎えの挨拶の「いらっしゃいませ」が不適切なこともある
  • 運営マニュアルは当日の設計図でありルールブック、未来へのストックにもなる

>>【第6回】「運営」では何を目指すべき?イベントを成功に導く「運営力」の高め方

【第7回】「想像力」が大切!来場者管理・備品管理のポイントとは?

受付はもちろん、登壇者対応や控室の管理など幅広いことが含まれる来場者対応。「直前に決めればいいやと後回しにしたまま当日を迎えてしまった!」なんてことのないよう、抜かりなく検討・準備を進めておきましょう。

小さなミスが起こりやすい備品管理についても触れています。備品リストの作り方や箱詰めの方法によって、運営の効率が変わるって知っていましたか?たかが備品管理と甘く見ずに、無駄や漏れを失くせるようさまざまな工夫を取り入れてみてください。

キーフレーズ
  • 来場者受付は攻めの姿勢で取り組む
  • 意地悪な視点が役に立つ
  • 備品管理において「一式」はNGワード

>>【第7回】「想像力」が大切!来場者管理・備品管理のポイントとは?

【第8回】これだけは押さえておきたい!音響、映像、通信など機材関連において知っておくべきこと

イベントを開催する前に専門知識をたくさん学ばなければいけない…ということではありません。難しいこと・詳しいことは専門家にお任せすればいいのですが、どんな音響や映像を求めているのかということをきちんと技術者に伝えることが大切なのです。

また、整えてもらった音響や映像の環境の簡単なチェックの仕方や、ある/なしの二択でとらえがちな通信環境の確認項目についてもしっかり扱っていますので、会場にお客さんを入れる前に改めて読んでみてください。

キーフレーズ
  • 見えづらい、聞こえにくいといったハズレの席を作らない
  • 「会場にWi-Fiが飛んでいるから安心」ではなく、必ず通信のキャパシティを確認する

>>【第8回】これだけは押さえておきたい!音響、映像、通信など機材関連において知っておくべきこと

【第9回】当日の確認事項って?会場入りした後に気をつけるべきこと

入口や受付、エレベーターやお手洗いまでスムーズにたどり着けるでしょうか?トイレットペーパーの補充、自動販売機のゴミ箱や喫煙所の灰皿のチェックは会場側がどの程度までおこなってくれるのでしょうか?受付の中の様子が来場者から丸見えではありませんか?

そういった会場に関する確認は、会場を知っていればスムーズにおこなえるもの。設営日や本番の朝に来場者目線で会場を歩き回ってみてください。

キーフレーズ
  • 今見えていても混雑時に見えなくなるものがある
  • イレギュラーをシミュレーションすること

>>【第9回】当日の確認事項って?会場入りした後に気をつけるべきこと

【第10回】ステージ関連で気をつけたいこと

イベントにステージ企画はつきもの。講演、表彰、プレゼンテーション、パフォーマンスなどさまざまな種類がありますが、ステージに立つ人の負担や不安を極力減らすことが大切です。

控室に準備すべきもの、お出しする飲み物への特別な配慮、舞台までの導線の確認や演台の上に用意すべきものなどのチェック項目を紹介しています。登壇者が外部の人であっても社内の人であっても「このイベントに携わってよかった」、「このステージに上がれてよかった」と思ってもらえるようなステージ運営を目指してください。

キーフレーズ
  • オレンジジュースは100%のものでないと困るといったリクエストがくる場合もある
  • 自分の紹介は自分が舞台に立つ前に済ませてほしいという恥ずかしがりやの方もいる

>>【第10回】ステージ関連で気をつけたいこと

【第11回】リスク管理・安全管理について

人がたくさん集まったり一気に移動したりすることは、思っている以上に危険なこと。また落し物・忘れ物対策も甘く考えがちですが、お財布やスマートフォンなど価値が高く、個人情報がたくさん詰まったものの管理は案外大変です。

会場に救急車の呼び方は尋ねましたか?イベントが中止になった時の保険は検討しましたか?そんな安全管理に関わるさまざまな大切な情報を、この連載の終わりにお伝えしていきます。

キーフレーズ
  • アンケートには来場者が一斉に出口に向かうのを防ぐという側面もある
  • 心配性な人を安心させられるくらい万全な準備・対策を講じること

>>【第11回】リスク管理・安全管理について

イベント業界に長く、そしてさまざまな立場で関わってきた前野さんだからこそ持つ知識や知恵を全12回の連載にぎゅっと詰め込みました。イベントを任されたものの右も左もわからない…という方はぜひ始めから終わりまで順番に記事を読んでみてください。
イベントは比較的こなしてきたほうだけど、なんだかいつもばたばたしたり小さなトラブルが起きてしまったりする…という方は該当する部分を探しながら読むのがいいかもしれません。

とはいえ、目の前の選択肢だけでなく、イベント全体のゴールという大きなものを見ることが重要なのだと前野さんは繰り返しお話ししてくれました。イベント企画・運営のどんなフェーズでも重要となってくるのが、イベントの目的・ゴールに立ち返ること。そのイベントは何のためにおこなうのか、何を目指しているのかという視点を取り戻すことで解決する悩みが実はたくさんあります。

イベントの企画や運営が好きな方も、自分しかいないからと仕方なく引き受けてしまったという方も、やるからにはより良いイベントにしたいですよね。イベントに関わる全ての人にこの連載が少しでもお役に立てたらうれしいです。「【初心者必読】成功するイベント・セミナーの作り方」に最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

取材協力:前野 伸幸(まえの のぶゆき)
株式会社ホットスケープ 代表取締役。
27年前の独立起業当初より、多くの大手企業からのミーティング・インセンティブ・各種セミナー・イベントを直接受注。企画・進行・運営をワンストップで数多く手掛けている。
その一方で、イベント施設・会議施設のコンサルタント・運営でも多くの実績を残す。「虎ノ門ヒルズフォーラム」のコンサルタントを自らが担当し、さらに「六本木アカデミーヒルズ」も加えた両施設の運営・管理業務も受託。また宮崎の「フェニックス・シーガイア・リゾート」のコンベンションセンターのリニューアルにて、マーケティングリサーチから発注先選定・機材選定や営業戦略策定まで広域にわたるコンサルティングを担当。
施設を貸し出す側と施設を利用する側の双方の立場で経験を積み、そのノウハウを活かして活躍中。
http://www.hotscape.co.jp/
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