イベント専門のコンサルティング会社ホットスケープの代表 前野さんに聞く「【初心者必読】成功するイベント・セミナーの作り方」
第8回目のテーマは「機材関連において知っておくべきこと」です。
大きなイベントであれば専門の会社に、内輪の小さなイベントでも詳しい人にお任せすることになる映像や音響などの分野。自身に知識や技術がなければプロに依頼すべきですが、任せっきりで何もわからないというのも考えものです。
そこで今回は、専門知識がなくてもイベント運営者として持っておきたい「視点」をご紹介します。実はこの連載でお話をうかがっている前野さん、社会人としてのデビューは音響技術者でした。
元音響技術者がイベントを運営しようとする皆さまにお伝えしたいこととは一体何なのでしょうか?
通信機材、通信環境について
- ――通信環境といえば…やっぱりWi-Fiなどでしょうか?会場が用意してくれている場合も多いですし、さほど注意すべきこともないような気がするのですが…
- イベント運営の初心者だと、そのように考えがちかもしれませんね。しかし、Wi-Fiがある・ない の2種類で環境をとらえてしまうのは危険です。
- 会場にWi-Fiが用意されている場合は、そのキャパシティを確認しましょう。同時アクセス可能数や通信速度などを問い合わせてみてください。明確な数字で回答が得られればいいのですが、そうでない場合は自前で用意して持ち込むのが無難かもしれません。
- ――どのくらいのキャパシティがあれば安心なのでしょうか?
- 必要な通信キャパシティは、以下の要素などを参考に導き出してみましょう。
○受付のレジストレーションでインターネットに接続する機器数
○登壇者や来場者の人数
○テレビ会議や生中継などイベントの内容や演出上、特別に太い回線が必要かどうか
○イベントの内容やタイムスケジュール上、アクセスが集中するタイミングがあるかどうか
- これらを洗い出し、会場内のWi-Fiで足りるのか持ち込みが必要なのか検討してみてください。テレビ会議など映像のやり取りをリアルタイムでおこなうときや、どうしても回線落ちを避けなければならないというときには、会場に専用の回線を引くという手もあります。その場合は、会場とも相談しながら専門の業者にお願いするといいでしょう。
- ポイント
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- イベントの内容によっては、特別に太い回線が必要だったりアクセスが集中する時間帯があったりすることも。
- 「会場にWi-Fiが飛んでいるから安心」ではなく、必ずその通信キャパシティを確認すること。
今回は音響・映像・通信の3つの分野について、イベント運営者が持っておくべき視点についてご紹介しました。機材の扱いは専門スタッフにお任せすることになっても、イベント全体のクオリティや満足度に関わる部分はきちんと把握し、専門スタッフから的確な要望や指示を出せるようになるといいですね。
さて次回は、「設営日や当日に会場入りしてから確認したいこと」をテーマにお話ししてもらいます。イベント本番が近づいてきたときに、運営に関わるすべての方々に読んでもらいたい内容です。
どうぞお楽しみに!