その気持ちは分かりますが、ビジネスマナーを知らなかったことで大きなトラブルに発展するリスクは無視できません。今回はビジネスマナーの本質や必要性についてお伝えしていきます。
目次
ビジネスマナーが必要な理由
そもそも、なぜビジネスマナーが必要なのでしょうか?
- 多様性に富んだ社員を束ねる横糸としての役割
- 企業は自社の活力を高めるためにある程度人材の多様性を確保するものですが、同時に多様な人材がバラバラにならないための工夫が求められます。全社レベルでは理念やミッションでベクトルを揃えつつも、個々人における協調性への取り組みも必要です。
この協調性において、ビジネスマナーが欠かせません。
あらゆる業務は一人でなく、さまざまな人と関わって行われます。そこでは相手を尊び、思いやる姿勢を持ち合うことが大切。なぜなら、組織心理学の研究を通じて、職場における対人関係のあり方が、仕事上の協力度合いに大きな影響を及ぼすことが証明されているからです。
ビジネスマナーというのは普段の仕事の中で関わる人へ、思いやりや尊重の気持ちを持って接するにあたり、一番分かりやすい表現技法。単純に「失礼を生まないように」というだけでなく、円滑な業務を行うにあたって関わる人への気遣いのためのものという意識で、マナーを捉えてみてください。
- 取引先の信頼を勝ち取る第一歩としての役割
- 取引先とは、約束を違えずに誠実な仕事をすることは当然です。
しかし、特に新規の取引先に対しては、信頼して仕事を任せられる会社であることを先に示す必要があります。その際、マクロなレベルでは、これまでの受注実績がものを言うことになりますが、ミクロなレベルでは、目前の担当者の言葉遣いや立ち居振る舞いが信頼感を生み出すためのキーポイントになります。
そのときビジネスマナーをきちんと身に付けていることが必須の条件になるのです。
- ビジネスマナーの本質
- 「うまい、安い、早い」というある牛丼屋の有名なキャッチフレーズがあります。商品やサービスの機能、価格、オペレーションが優れていることの大切さを端的に伝えるものですが、うまくて、安くて、早かったとしても、店員が無愛想の塊だったり、お客に暴言を吐いたりするようならば、その店は決して繁盛しません。
ビジネスが成功するためには、優れた商品やサービスだけでは不十分で、お客を敬い、思いやり、感謝する姿勢が不可欠。ビジネスマナーが必要とされる本質的な理由がそこにあります。
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ビジネスマナーを身につけていないと起こること
重要なビジネスマナーを身につけていないと、つぎのようなトラブルに発展することも。
- 名刺交換のルールと言葉遣いを知らず、場の空気が凍る
- やる気だけは満々の新人が、課長と先輩に帯同した取引先で、「今日は本当にご苦労さまです」と挨拶をしながら、先方の部長と真っ先に名刺交換。いくら新人といえど、その場の空気は凍るでしょう。はじめてであれば多めに見てもらえるかもしれませんが、挨拶の場はビジネスにおける基本中の基本、できて当たり前だと誰もが思っています。
厳しめなクライアントとなると、こういった些細な振る舞いから難しい事態に発展する可能性も否定できません。
- メールのルールを軽視して起きた大失敗
- 取引先との新規プロジェクトに参加した新人が、受け取ったメールのCCとBCCを確認する習慣が身についていない場合。メンバー全員が閲覧可能なメールに対し、同期のメンバーにだけに返信するつもりで、取引先を呼び捨てにして愚痴を書いて送ってしまうケースが起こるでしょう。その後は当然ですが取引先のリーダーからクレームが入り、プロジェクトから外される未来が見えます。
もっとまずいシチュエーションとして、個人情報など漏らしたらアウトな内容を、一部の内部メンバーに送るはずが外部の人を含めて広く送ってしまうパターンも考えられます。こうなるとプロジェクトから外されるどころではありません。
いずれも、ビジネスマナーを身につけ、重要性を理解していれば防げます。
ビジネスマナーは「なぜ必要なのかを理解する」ところに本質があります。マナーは人対人で行われるもの。ヒューマンエラーは100%防げるものでなく、必ず些細なミスが発生します。しかし重要性を理解していれば、すぐ事の重大さに気づけ、リカバリーに動けます。これが一番大切なのです。
最低限必要なビジネスマナーの種類
ビジネスマナーは数多くの種類があります。もちろんあらゆるマナーを身につけておく事で臨機応変に対応しやすくなり、より仕事を円滑に進めることができます。しかし新入社員には難しいでしょう。最初は最低限必要な6つの分野におけるビジネスマナーを身につけてみてください。
- 挨拶
- 出社時・退社時、感謝の気持ちを伝える、労いの気持ちを伝える、取引先訪問時などのシチュエーションにおける適切な挨拶を身につけましょう。挨拶にもさまざまなパターンがありますが、まずは取引先に対しての挨拶マナーを身につけておけば、トラブルを防げます。
- 言葉遣い
- 敬語、謙譲語、丁寧語を状況や相手に応じて適切に使い分けられるようにしましょう。これもまずはトラブルをできるだけ防ぐべく、取引先向けのルールを身につけておくのがおすすめです。
- 身だしなみ
- TPOを的確に判断して、清潔感があり礼節をわきまえた服装や持ち物、メークを身につけておきましょう。まずは自分から見て「清潔感があって好印象だな」と思える同僚や先輩を見つけ、彼彼女らの真似から始めるのがおすすめです。
- 電話応対
- 電話の出方、電話の取次方、電話の切り方などを一通り身につけましょう。ここはおそらく社内である程度の型が決まっていますから、それを覚えるところから始めてみてください。
- メール応対
- 件名の付け方、CCとBCCの使い分け、メール内でのあいさつ、署名などを覚える努力をしましょう。ただ最初はビジネスメールをうまく作れなくて当たり前なので、送る前に必ず確認する癖をつけましょう。確認癖を付けられれば、大抵のメールミスは防げます。
- 名刺交換
- 名刺交換の手順、名刺の扱い方、名刺の管理の方法を一通り学んでおきましょう。新入社員はまず名刺交換の手順と、打ち合わせ時の名刺の扱い方を優先して身につけておけば大丈夫です。
ビジネスマナーの効率的な身につけ方
基本的なビジネスマナーについては、会社側で研修を行う場合が多いので、研修をきちんと受けて、その後もテキストを読み返すということが最も効率的に身につける方法になります。
研修が不十分な場合や特定の分野に強い興味を持った場合などは、市販のビジネスマナーに関する本を購入して勉強するとよいでしょう。
軽視しすぎず、しかし気軽な気持ちでビジネスマナーに向き合おう
仕事を始めると、学生時代には無縁だったビジネスマナーの数の多さに驚くかもしれません。でも、覚えてしまえばよいだけのことですから、あまり難しく考えず前向きの気持ちで新しいビジネスマナーを積極的に吸収していきましょう。
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