一方で一般常識の代表であるビジネスマナーについては、入社時に研修はあるものの、基本手取り足取り教えてもらえることはありません。失敗をしないか不安に感じている新社会人の方も多いのではないでしょうか。
名刺交換や電話応対だけでなく、ビジネスマナーは多岐にわたるもの。賢く身につけていくことで、社外社内共に上手く立ち回っていくことができます。
今回は取引先や上司、先輩などに失礼がないよう、ビジネスマナーの重要性から基本のビジネスマナーのポイント、身に付けるためのコツなどを紹介していきます。
ビジネスマナーの重要性、身に付ける目的
なぜ、ビジネスマナーを身につけることが重要なのでしょうか。車を運転する人にとって、運転マナーが大切であるのと同じことなのです。路上で「マナーが悪い」運転をする車と遭遇すると不愉快な気持ちになるはずです。道路という共通の場で、ドライバーが安心安全かつ効率的に自動車を運転するために法律遵守は当然として、相手を思いやる気持ちと言い替えてもよい運転マナーがとても大切なのです。
ビジネスマナーが重要とされる理由も基本的には同じです。自分さえ良ければ相手が損をしても気にしないような姿勢では、単発の取引は成立しても安定的に利潤を生み出す継続的な関係を作りあげることはできません。継続的な取引関係を築くための必要なベースは「信頼」であり、お互いに信頼を獲得するための第一歩がビジネスマナーなのです。
IT化が進んだといえども、ビジネスを動かしているのが人である以上、相手を思いやる気持ちの大切さは変わらないため、ビジネスマナーを身に付けることが重要です。
基本のビジネスマナー
ビジネスマナーは具体的にブレイクダウンをしていくと相当な数になりますが、基本は大きく4つの分野に分けることができます。
挨拶
挨拶はコミュニケーションの基本であり、仕事とコミュニケーションは密接につながっているため重要なマナーです。ビジネスにおける挨拶の基本は、必要なタイミングで相手に伝わるようにハキハキとすること。
下記が仕事における一般的な挨拶のやりとりになります。
朝:おはようございます
外出時:いってきます いってらっしゃい
帰社時:ただいまもどりました お帰りなさい
退社時:お先に失礼します お疲れさまです
そのほかシチュエーションによって「はじめまして」「お久しぶりです」「お世話になります」など、会話の口火として挨拶は必ず出てきます。挨拶をしない人、挨拶をされても応えない人は第一印象から悪いイメージを相手に与え、大きなマイナスになります。しっかり挨拶をしましょう。
言葉遣い
最近、プライベートな場面では上下関係のないタメ語を使う人が増えています。しかし、ビジネスの世界では社内の上下関係はありますし、お得意先は丁重に接遇する必要があります。そのために、敬語と謙譲語を身に付けて、状況に合わせて使いこなすことがビジネスマナーとして大切。敬語と謙譲語は覚えるまで大変ですが、繰り返し使うことで、自然と身についていきます。お得意先で間違えると大変ですから、まずは社内などで積極的にコミュニケーションをとり、敬語や謙譲語を使う場面を作り出すことがおすすめです。
またビジネス上の言葉づかいで気をつける点の一つとして、社内の上下関係をお得意先様との会話に持ち込まないことがあります。社内の会話では「山田部長がおっしゃられていたこと」であっても、社外のお得意先様との会話では「部長の山田が申しあげていたこと」になります。慣れるまでは大変ですが、徐々に自然と使えるよう意識しましょう。
身だしなみ
人は相手の第一印象を外見から判断することが多いため、身だしなみは大切です。スーツがフィットしていてシワがないか、靴は綺麗に磨かれているか、頭髪は不潔感がないかなど相手に自分がどう見えているかを常に意識して身だしなみを整えることがビジネスマナーの一つになります。
約束を守る
信頼関係を築くために、約束を守ることは一番大事です。遅刻をしない。期限までに書類を出す。約束した納期に間に合わせる。などなど、自分が相手に約束したことを確実に実行することが、ビジネスパーソンとして基本のキと言えます。
ビジネスマナーの身につけ方
具体的なビジネスマナーをあげるとかなりの数になるために、最初から全部覚えることは無理でしょう。現実的には、初めて遭遇した場面で必要なビジネスマナーを知らずに失敗をして覚えていくというプロセスも避けられませんが、なるべくビジネスマナーをスムーズに身につけられるようになるコツを3つあげてみます。
- ビジネスマナーについての気づきをメモする
- その場で「こんなビジネスマナーが必要なんだ」と思ったらメモをして、あとから見返すことができるようにしておくことで確実に身につけていくことができます。
- 分野を決めて集中的に学習する
- ビジネスマナーについて学ぼうとする場合は、今月はメールの書き方、来月は会議の場面という具合に、期間とテーマを決めて取り組むことで散漫にならずに着実に知識を身につけやすくなります。
- フィードバックをもらう仕組みをつくる
- 会社の先輩や上司の方は、日々の仕事のなかでビジネスマナーとしておかしいと感じる点があったとしても、よほど大きな問題でない限り、その場でいちいち指摘してくれないことが多いものです。そこで先輩や上司にお願いして月に1回程度、自分のビジネスマナーについて改善すべきポイントを教えてもらう場を作ってもらえるよう、お願いしてみましょう。できていると思っていたことでも意外と上手く使えていない、不自然になっていることはありますから、他者に見てもらうことは新たな気づきを生め、より効率的なマナー学習が可能です。
ビジネスマナーの基本は相手への思いやりです。ビジネスマナー集を丸暗記することが重要なのではなく、相手への思いやりの気持ちを常に持ち続けていれば、どんな場面でも相手を不愉快にさせることなくビジネスを円滑に進めることができるでしょう。
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