会議の時間設定はどうする?平均時間や時間帯、短縮のコツを紹介

会議の時間設定はどうする?平均時間や時間帯、短縮のコツを紹介
「この会議は、いつ終わるんだろう…」と、誰もが一度は感じてしまったことがあるのではないでしょうか。議論が白熱して収拾がつかなくなったり、論点がずれてまとまらなかったりして、会議の時間が予定より長引くことは珍しくありません。

しかし、無駄に時間が過ぎていく会議は参加者の集中力を奪い、内容の質を落とします。効率の良い会議を行うためには、会議の時間設定を最適化することが重要です。
この記事では、目的別の会議にかける一般的な平均時間と、時間が長い会議を短縮するコツを紹介します。
目次

会議の平均時間は何分が理想?

一般的に、重要な議題について議論する会議や参加者が多い会議、ブレストを経て意見を集約する会議などは、会議にかかる時間が長くなりがちです。会議における理想の時間は、どのように設定すべきなのでしょうか。

会議の時間
人間が保てる集中力との関係
頭脳労働において、人間の脳が1回に発揮できる集中力の持続時間は2時間程度で、1日にすると2時間×4コマが限界だといわれています。
といっても、会議が2時間かかった場合、その時間中ずっと集中していたと感じる人はそう多くないはずです。どんなに努力をしても90分、平均すると60分未満が集中力の上限ではないでしょうか。
学校教育法施行規則において、小学校の授業時間は1コマの時間を45分、中学校は50分と定められているのも、集中力と無関係ではないでしょう。ちなみに、大学の講義の時間も、90分に設定されていることが一般的です。
ただし、集中力の持続時間の上限が90分でも、90分ずっと高いレベルで集中し続けるのは困難です。
会議は30分といわれる理由
実際、集中力には15分周期の波があるといわれ、15分間集中すると集中力は一度途切れ、また再び15分の波がやってきます。このことから、人間の集中力は、15分ごとに話題を変えたり、休憩を入れたりすることで良い状態を維持できると考えられているのです。
60分続けて勉強をしたグループと、15分刻みで休憩を入れながら45分勉強したグループとでは、後者の方が良い成果が出たという研究結果もあることから、長時間の会議は非効率だといえるかもしれません。
こうしたことから、会議は「30分会議」が最適だといわれています。トヨタ自動車の会議が原則として30分であることは比較的よく知られていますが、これは最初から「30分」という前提を設けることによって、無駄話を避けて即座に議題の確認と議論に移る習慣をつけるためです。
会議というと、なんとなく1時間確保する習慣がある企業は、会議に本当に必要な時間を考え直し、時間設定を変えてみると効率化につながるかもしれません。

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会議の種類別・理想の平均時間

会議は30分が理想といわれる理由を紹介しましたが、すべての会議を30分で終えるのは不可能です。適切に休憩を入れながら、会議の種類に応じて時間を延長するのが望ましいといえます。
続いては、会議の種類ごとに、理想の平均時間について考えてみましょう。

情報共有の会議:15~30分
参加者同士が情報を共有することが目的の会議は、開催頻度が高い会議でもあります。無駄に時間が長引くと、それだけ業務の妨げになる可能性が高くなります。
この会議においては、共有したい情報を参加者にアジェンダなどを作成してある程度事前に伝えておくことがポイントです。このひと手間で、言うべき人が伝えるべき情報を会議内で端的に伝達でき、短時間での目標達成の実現が可能になります。よって、理想の平均時間は15〜30分です。
意思決定のための会議:40~55分
意思決定のための会議では、最終的に結論を出す必要があります。参加者全員が発言し、納得感を持って議論を進めていくことが重要ですが、一人ひとりが思うままに発言していては時間がいくらあっても足りません。そのため「何時までに、何を決めなければならないか」をあらかじめ共有しておきましょう。
終わりの時間が明確であれば、無駄に議論を長引かせることなく、合意に向けた意思決定プロセスをたどることができるはずです。この会議は、40〜55分で完結させるのが望ましいです。
アイディアを集約するための会議:30~45分
新しい製品やサービスに関する提案を持ち寄ったり、ある提案について視点の違う意見を出し合ったりして、最終的にアイディアを集約することが目的という会議もあります。
この会議では、参加者が自由に議論できる環境を作り、闊達な意見交換を促さなくてはなりません。ただし、ゼロから始めると、そもそもの提案を覆すような意見が出たり、思わぬ方向に議論が転がったりして、収集がつかなくなる可能性があることに注意が必要です。
そのため、会議の前に「議題にしたい提案内容」を明示し、「より良くするアイディアが欲しい」「間違いを指摘してほしい」などと要望を出しておきましょう。参加者は要望に沿った見解を準備して会議に臨むことができるため、意見やアイディアを短時間で集約することができます。
事前準備を行うことで、アイディアを集約するための会議も30~45分での終了を目指すことも可能です。
問題解決のための会議:60~90分
問題解決のための会議とは、経営に関わる大きな問題から普段の勤務環境における社内の些細な困り事まで、さまざまな問題を解決することを目的として開催されます。
この会議では、参加者が知恵を出し合い、問題の解決案をまとめるところまで行きつく必要があります。かといって、誰か1人が強行的に意見をまとめると偏った結論になる可能性が高いため、参加者全員に発言機会を与えつつ、多角的に問題を検証することが大切です。
こうした会議では、決定までのプロセスが何よりも重視されるため、ほかの会議よりも少し長めの60〜90分は見込んでおいたほうがいいでしょう。

会議を行うのに理想の時間帯や曜日は?

会議の効率性を高めるには、会議を設定する時間帯や曜日も重要です。参加者が多いと予定の調整が大変ですが、できるだけ会議に適したタイミングに設定することで話がスムーズに進み、他の業務を圧迫するリスクも低くなります。具体的な例としては、下記のような時間帯・曜日で会議を設定する方法もあります。

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会議に理想の時間帯
会議の時間帯は、午前中の10〜12時、午後の14〜17時がおすすめといわれています。
始業時間が9時前後の会社の場合、出社後はメールのチェックや今日の予定の整理、伝達事項の確認などで慌ただしい時間帯です。共有すべき情報が頭に入っていない可能性も高いため、雑務を終えて一息ついた10時頃から昼食前の12時頃までが第一の狙い目です。
午後の時間帯では、昼食休憩後から少し経って眠気が覚めた14〜17時頃がおすすめ。午前中から勤務し、脳が少し疲労を感じ始め、不要な情報は排除するようになるため、アイディアを集約するための会議や意思決定のための会議、問題解決のための会議などに向いています。
ただし、17時が近くなると「終業に向けてやるべきことを済ませたい」という意識が働きやすいため、会議は余裕をもって切り上げられるように設定するといいでしょう。
会議に理想の曜日
効率的な会議のためには、開催する曜日も関係しています。
休日を引きずっている月曜日と、休日を目前に控えた金曜日は、仕事モードよりもプライベートモードになりやすく、会議が停滞しがちになることも…。できるだけ週半ばを選んで会議を設定するのがおすすめです。
ただし金曜日は、「今日がんばれば、週末にのんびりできる」「週末に仕事を持ち込みたくない」といった心理が働くため、全員の集中力がぐっと高まって良い会議ができることもあります。参加するメンバーや会議の規模感などを考えながら、適切な曜日を選びましょう。

時間が長い会議を短縮する方法

開催時間帯や曜日、会議時間の事前設定などを工夫していても、長引く会議が多いケースもあるかもしれません。その場合は、下記のような方法を実施してみてください。

アジェンダで会議の目的を事前共有しておく
会議に先立って、会議の目的と議題を参加予定メンバーに共有しておくと進行がスムーズです。
参加者が自分の意見やアイディアをある程度まとめてから参加でき、自発的な意見交換によって会議が停滞しないメリットもあります。アイディアを集約するための会議や意思決定のための会議では、会議の開催通知とともに、会議の趣旨と参加者に考えてもらいたいことを共有しておきましょう。
ゴールを決める
会議の終了時間を設定しておくと、「◯時までに終わらせる」という共通認識を持ちやすくなります。開始時間とともに終わりの時間を設定し、会議の長期化を防ぎましょう。
ファシリテーターを立てる
ファシリテーターとは、会議や討論といった複数人が話し合う場において、参加者の意見を引き出し、有意義な結果が出るよう先導する人のことです。
ファシリテーターは、会議の内容が本題からずれすぎないようコントロールし、公平で納得感のある会議の進行をサポートする役割を担います。司会とは別にファシリテーターを立てておくと、短時間で有意義な会議を行うことが可能です。

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参加者を絞り込む
平等な意見交換を求める場に権力者を含めたり、一定の知見が必要な会議に無関係な人を参加させたりすると、話し合いがスムーズに進まないこともあります。会議に関係する人だけを厳選して開催するようにしてください。
議事録を作成する
会議後の議事録の作成は、次回以降の会議の改善に役立ちます。会議時間が長引いた場合だけでなく、短時間で終えられた場合でも、それぞれの理由について議事録をもとに分析することが重要です。時間オーバーや短縮につながった流れを知って、会議をブラッシュアップしていきましょう。

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だらだら会議はやめて、効率重視の会議をセッティングしよう

人間の集中力の持続性を考えてみても、だらだらした会議は意味のある話し合いを妨げる原因といえることがわかります。
時間のない現代人だからこそ、無駄の多い会議を見直し、効率重視で設定しましょう。事前に会議の目的を共有するためのアジェンダや、会議後に作成する議事録などを活用しながら、より良い会議の実現を目指すことをおすすめします。

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