会議の形骸化は、目的が明確でないことによって起こります。非効率だと感じたら、会議の目的をあらためて考え直してみましょう。
この記事では、効率的な会議の開催に向けて、会議の目的を明確にする方法について解説します。
目次
会議の目的の種類
会議の目的には、大きく6種類に分けることができます。開催する会議の目的を正しく定義するために、代表的な会議の種類について知っておきましょう。
- 情報を共有するための会議
- 情報を共有するための会議とは、チームや部署、あるいは部署を越えた複数のメンバーで組織するプロジェクトなどにおいて、業務の進捗状況やチームの現状、課題感のほか、毎日の業績や売上などを報告し、その内容を共有する会議です。予定どおりに業務が進捗しているかどうかを、定期的に確認したい場合に有用です。
- ただし、単に情報を共有するだけなら、チャットやメールで十分であり、あえて会議を開く必要はありません。情報共有のための会議は、共有された情報の中の課題について検討し、対策を考えるところまでをセットとして実施するものです。
- 意思決定のための会議
- ビジネスにおいて、迅速な意思決定が求められるシーンは少なくありません。例えば、経営陣が集まって来期の事業戦略を策定したり、組織の方向性を決めたりする会議が、意思決定のための会議です。
- 参加者一人ひとりが意見を出しあった上で、最終的に全体の方向性を決定します。単に話し合うだけでなく、限られた時間内に結論を出すことが求められるため、効率が非常に重視される会議です。
- アイディアを集約するための会議
- アイディアを集約するための会議は、商品やサービスを企画するときや、マーケティング施策を考えるときなどに開催されます。参加者が自分のアイディアを出し合うブレインストーミングの形式で行われることが多いでしょう。
- この会議の開催メリットは、さまざまな人が参加することによって、思いがけない発見や新しい気づきが得られること。そのため、年齢や所属などにかかわらず、自由に発言できる雰囲気づくりが重要です。
ただし、自由度が高すぎると内容がまとまらず、時間を大幅に過ぎてしまうことも。そのため、ファシリテーターの度量がカギを握る会議といえます。
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- 討論や意見交換をするための会議
- 討論や意見交換のための会議は、必ずしも結論を出すことを求めていないのが特徴です。
例えば、新規事業の企画案をブラッシュアップするために、参加者に向けて企画案を披露し、自由に意見をもらいながら考えを整理するために開催される会議などが該当します。 - 議論をすること自体が目的ではありますが、議論が白熱しすぎて脱線したり、漠然とした話に終始したりするのを防ぐため、主催者から「間違いを指摘してもらい、万全な提案に仕上げたい」「より魅力的な提案にするためのアドバイスがあればほしい」といった、議論の方向性を事前に示しておくことが重要です。
- チームの士気向上を目指すための会議
- 会議には、参加メンバーの士気を向上させる効果もあります。代表的なのは、期初やプロジェクトのキックオフミーティング、成功事例の共有などのために開催される会議です。同じ目的を持ったメンバーが一堂に会し、前向きな話を共有することで、業務に対するモチベ―ションを高めることができます。
- 参加人数が多いことが予想されるため、一体感を損なわず、かつ快適な規模の会場を押さえることや、全員に発言してもらうためのファシリテーションが成功の秘訣です。
- 問題解決のための会議
- システムトラブルが頻発している、顧客からクレームがあった、社内の運用がうまくいっていないなど、業務を遂行する上での問題を解決するための会議もあります。
この場合の会議は、議題が多すぎると解決策の提示まで行きつかない可能性があるため、1回の会議で話し合う議題を絞って開催しましょう。 - 「クレームの原因については◯◯であると推測され、オペレーションに携わる人を増やす必要があると思うが、認識の誤りやより良い改善案があれば教えてほしい」というように、議題を提示する人の考えと参加者にしてほしいことをあらかじめ明示しておくと議論がスムーズに進み、寄り道をする時間を減らせます。
会議の目的を認識・再確認するメリット
会議を効率的なものへと昇華させるには、参加者に会議の目的を把握してもらい、全員が共通の認識を持ったうえで臨むことが大切です。
会議の目的が不明瞭なまま参加している人がいたり、参加者によって認識している会議の目的が違ったりすると、業務時間を割いて会議を開催する意味が半減します。会議の目的を認識・再確認してもらうことで、下記のようなメリットが見込めます。
- 参加者が事前準備をすることができる
- 会議の目的を明確にしておくことで、参加者が事前準備をする時間を設けることができます。
参加して初めて目的を理解した会議で、活発に意見を出せる人は多くありません。参加者の自発的で積極的な会議への参加を促すには、それぞれ事前準備の時間が必要です。 - 特に、自分の意見やアイディアを持ち寄ることが求められる会議は、参加者の事前準備があるかないかで内容の質が大きく変わります。会議を開催することが決まった時点で、開催趣旨と参加者に考えてきてほしいことを共有しておきましょう。
- 会議における役割や立場を認識できる
- 会議の目的を明確にしておくことで、参加者が自分に期待されている役割や立場を理解してから会議に臨むことができます。
「今回の会議で自分に求められていることは何か」の認識にずれがあると、会議で本質的な意見を言うことが難しい場合もあります。 - 極端なたとえではありますが、ある女性リーダーが参加者にいた場合、議題が女性の活躍の場を広げるための会議であったなら、自分のキャリアを踏まえて意見を述べることが求められていると理解するでしょう。一方、目的が新事業のアイディア出しであれば、性別は無関係にみずからのアイディアをわかりやすく伝えようとするはずです。
このように、会議の目的を事前に認識・再確認してもらうことは、闊達な意見交換を行い、意味のある会議にするために重要なプロセスなのです。
- ゴールがわかることで時間短縮につながる
- 会議の目的が明確であれば、参加者は何に向かって議論を進めていくべきかの道筋が見えやすくなります。
目的を認識していないと、見当違いの意見を出して会議を長引かせたり、話があちこちに飛んで収拾がつかなくなったりします。
最初からゴールが見えていれば、話の道筋を見失うことなく議論を進められるため、会議時間の短縮にもつながるでしょう。
目的が明確な会議を実現するためのコツ
目的が明確な会議は、効率の良い会議と同義です。ここでは、会議を効率的に進めるための、6つのコツを紹介します。
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- アジェンダで目的を事前共有する
- 会議が始まる前にアジェンダを作成し、会議の目的を可視化しましょう。
アジェンダは行動計画や予定のことですが、会議の場では「会議の進行表」「予定表」といった意味合いで使われます。中でも、アイディアを集約するための会議や、意思決定のための会議では、アジェンダを事前に共有しておくか否かで会議の効率が変わります。
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- ファシリテーターを立てる
- 会議やミーティングといった複数人が話し合う場において、参加者の意見を引き出し、有意義な結果が出るように先導する人をファシリテーターといいます。
- ファシリテーターは司会とは異なり、議事を進行することだけが役割ではありません。会議の内容が目的から離れそうなときにはしっかりと舵をとり、独断による決定や不公平感のある進行を防ぎます。
目的に沿った話し合いをするために、ファシリテーターの存在は欠かせません。
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- 終了時間を設定する
- 終わりの時間を明確にすることも、目的から外れない会議をスムーズに運営するコツです。
ダラダラとした話し合いは、途中で議論が本題から外れるもとになります。「何時までに、どこまで決めるのか」を事前共有しておくことをおすすめします。
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- 参加者を選定する
- 自由にブレインストーミングをしたい会議に多くの人数が参加したり、システムトラブルの改善のための意見交換に知見のない人を含めたりすると、目的を達することができない可能性があります。
参加者は関係者のみに絞るなど、最小限に厳選しましょう。
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- 平等に発言できる環境を作る
- 強力な権力者が会議を取り仕切ることも時には必要ですが、討論や意見交換のための会議などにはふさわしくありません。参加者が平等に発言できる環境を作り、広く、多くの意見を吸い上げられるようにしましょう。
- 議事録を作成する
- 会議後の議事録の作成は、今回の反省点を把握し、次回以降の会議をより良くするために欠かせません。
作成した議事録から、目的が全員に共有されていたか、共有の仕方や内容に問題はなかったかを検証し、次回以降につなげていきましょう。次の会議が開催されるまでに、できるだけすみやかに議事録を共有できるよう、議事録作成ツールなどを使うのもおすすめです。
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会議の目的を明確にして、残念な会議を減らそう
会議が多いと感じているビジネスパーソンは少なくありません。会議の目的を明確にすることで、参加者の時間を奪う残念な会議を減らすことにつながります。
なんとなく会議を開催していたり、会議の無駄を感じてしまったりしたときは、会議の目的の再認識から始めてみましょう。
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