仕事をしたことがある人ならだれもが知っているであろう「会議」。聞いただけでどういうものなのか、大体の人は想像がつくはず。
しかし「会議体」はどうでしょうか。あまり聞きなれない人もいるでしょう。職場によっては使われるワードですので、とくに新入社員、若手社員は覚えておくと便利です。
今回は会議体の意味や開催するメリット、会議との違いについて解説していきます。
会議体の意味、「会議」との違いは?
まず会議とは、あるテーマについて関係するメンバーが決められた日時と場所に集まり、議論をしたり意見を募ったりしながら最終的に合意を生みだし、何をするのかを決める話し合いの場です。具体的な会議の種類としては、報告定例会議、ブレスト、戦略会議などがあります。
つぎに会議体とは、会議のなかで意思決定会議だけが該当することになります。複数のメンバーがある目的のために集められて意思決定をおこなうのですが、意思決定の主体が特定の役職者ではなく、会議体という疑似的な人格をもった組織自体になるところが通常の意思決定会議と異なる点。
したがって、複数人が集まって話し合いをしても決定事項が具体的に生み出されない会議は会議体ではないし、来月の方針が課長や部長の鶴の一声で決まる営業会議も会議体ではありません。
- 会議と会議体の違いは「目的の置き方」
- いい会議の基準として「具体的な決定事項が生まれる」というのがあります。しかしいい会議を「決まる会議」と定義づけた場合、会議体との違いがよくわからなくなりますよね。
- そこで、英語の語源からふたつの言葉の意味を確認してみましょう。会議を英訳するとmeetingとかconference などが該当します。一方、会議体の方は、meeting structureとかconference bodyという言葉が出てきます。
- 英語の表現から読みとれる会議と会議体との違いは
1.意思決定が主体かどうか
2.組織の中で意思決定の仕組みを設計し設置された会議の集合体かどうか
の2点であると言えるでしょう。 - さらにつけ加えると、開催タイミングが定期的で厳選された固定メンバーで開催されるなどの特徴が会議体にはあります。
- 会議については、下記記事で詳しくご紹介しています。会議体との比較のためにも、ぜひご確認ください。
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会議体をおこなうメリット
普通の会議を開催すれば事足りそうにも思えますが、会議体を設置するメリットはどこにあるのでしょうか。
- 意思決定の迅速性が高まる
- 会議体が意思決定をするテーマは一つに絞り込まれているため、話の内容があちらこちらへと飛ぶことがなく、意思決定に導く話し合いに集中することが可能になります。
- また、そのテーマについての意思決定に無関係のメンバーがいないために、少数精鋭の参加者による話し合いをすることで意思決定の迅速性が高まります。
- 公平性の高い意思決定ができる
- 会議体は合議体(数人の構成員によって意思決定される組織体のこと)と言い換えることもできます。意見を出したけれど無視されたという結果になりづらく、参加者全員が納得したうえで結論を導け、公平性の高い意思決定をおこなうことが可能です。
会議体が使える種類
会議体の形を取れる種類には、大きくわけて下記の3つに当てはまります。
- 全社のガバナンスに関わる会議体
- 取締役会や役員会議、経営会議が挙げられます。取締役や役職持ちなど、経営の意思決定に関わる固定メンバーで方針を決める会議体です。
- 個別のロール(役割)に関わる会議体
- たとえば商品開発会議や宣伝広告会議、新規採用会議など、特定の業務目的に応じた会議体です。
- その他の会議体
- 半期に一度開催される予算策定会議、特定のプロジェクトの進捗管理会議、システム開発における要件定義会議などがあります。
- 会議体の呼び方はいろいろありますが、意思決定の対象とメンバーが定義されていて、業務全体像の中で位置づけがはっきり決められているという共通の特徴を持ちます。
会議体進行のポイント
会議体を進行するためにまず大切なことは、十分な事前準備です。迅速かつ公平な意思決定を目的としているため、意思決定の項目をどの単位で切り分けるか、意思決定に導くための合意形成のプロセスをどうするか、綿密な設計をおこなう必要があります。
事前準備のなかでは、メンバーの選定も重要になります。意思決定に関わりの薄い人は入れるべきではありません。また基本的に毎回同じメンバーで開催するため、開催スケジュールに合わせられる関係者を入れる必要があります。
逆に不可欠なメンバーが必ず参加できるよう、開催スケジュールを調整する工夫も求められます。
もし話し合いのなかでテーマとは別に決定すべき事項が出てきた場合は、その場では扱わず、そのための会議体を新たに設置するルールを徹底しましょう。意思決定プロセスが散漫になると会議体として機能しなくなるため、注意が必要です。
また会議におけるファシリテーションの原則を尊重することは、いうまでもありません。
まとめ
打ち合せ的な会議だけではなく、以上のような点に気をつけながら会議体を設計して運用をすることで、スピーディーで質の高い仕事ができるようになるはずです。会議体は主に役職持ち、重役が出てくる場面でもあるため、開催にかかわることがあれば丁寧な下調べや事前準備が欠かせません。ぜひ記事を参考に自分でもいろいろ調べてみましょう。
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