さらに打ち合わせという言葉も出てくるので、ますます会議とミーティングの定義や性格がわかりづらくなってきます。
そこで、今後ミーティングや会議に参加するにあたり、それぞれの定義と違いについて理解を深められるように解説をしていきます。
ミーティングとは
ミーティングの場合、参加者全員で情報や思考共有、あるいは確認をすることが目的になります。新しいプロジェクトの立ち上げにあたって最初にキックオフミーティングを開くのは、プロジェクトが発足する背景やメンバー選定理由、プロジェクトリーダーの想い、プロジェクトの期間やゴールなどを確認して共有するために開かれるのです。
- コミュニケーション自体をミーティングの目的とする場合も
- あるいは、参加者の間でおこなわれるコミュニケーションそのものがミーティングの目的になることもあります。プロ野球チームがシーズン終了後に「ファン感謝ミーティング」を開催していますが、これは選手とファンの交流=コミュニケーションを目的としたものです。
プロ野球のファン感謝ミーティングは大人数が参加しますが、本来ミーティングは情報共有やコミュニケーション自体を目的としているため、基本的には少人数の参加者によって開かれる特徴があります。
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会議とは
会議とは人々が会して議することで、結論や方針を決定することが目的です。同じ意味合いとして、カンファレンスという表現が使われることもあります。
会社のなかで経営方針を決める集まりを取締役会議と呼ぶのは、意思決定のための話し合いだからです。そのため、意思決定の対象となる議題が明確であることが会議の一つ目の特徴になります。
二つ目の特徴は議題に対する意思決定がされることです。裏を返すと、参加者が話し合ったり意見を言い合ったりするだけで、何らかの意思決定が行われない会議は、真の会議とはいえないことになります。
三つ目の特徴は、意思決定を目的とするために参加者は意思決定に関わる人に限られることです。単なるオブザーバーや権限がない者は出席する意味がないので、会議の参加者の数は比較的少人数に絞り込まれることになります。
ちなみに意思決定を目的とした集まりには、会議以外に「会議体」と呼ばれることもあります。厳密には意味合いが違うものの、基本「会議」と名のついた集まりは意思決定を行う場だと捉えておきましょう。
ミーティングと会議の違い
会議とミーティングの定義の違いを踏まえて会合のネーミングをすると、なにを目的としているか名称から簡単に判断がつくようになり、非常に便利です。
そこで会議とした方がよいのかミーティングとした方がよいのかについて、具体的な例をもとに見ていきましょう。
- 営業会議と営業状況報告ミーティング
- 仕事上もっともポピュラーな会議といえば、営業会議ではないでしょうか。会議と名付けられている以上、明確な議題を設定して意思決定をするのが、本来の営業会議のはずです。しかし、実際には営業会議といってもミーティング的な性格をもって開かれていることが多い実情があります。
「来期の売上と利益予算を決定する」「予算の未消化が3ヵ月続いたのでカンフル剤として販売促進策を決める」こういう内容で行われる営業上のやり取りなら、営業会議と呼べます。本来の営業会議の参加者としては、意思決定権者である営業部長と営業課長だけがいればよいはずです。
一方、営業マンが課長の前で今月の予算達成状況を報告して、その出来具合で来月の営業活動方針を宣言するという会合を営業会議としている会社は少なくありません。しかし、単なる情報共有に過ぎないので会議とは呼べません。正確には営業状況報告ミーティングとするべきでしょう。
- 新商品開発会議と新商品開発ミーティング
- 新商品の開発にあたって商品A/B/Cが具体的に提案され、最終的にどの商品を採用するかを決定するような場を新商品開発会議といいます。
新商品開発の第一歩は、あらゆる可能性を考えてたくさんのアイデア出しをするところからスタートするもの。そのためにブレストやアイデア出しという会合が行われる場合、なにかを決定することよりも多くの情報を引き出すことに目的が置かれます。この場合、新商品開発ミーティングとし名実を一致させれば、意見を出しやすい場をつくりやすくなるでしょう。
使い分けが明確になれば、参加役割を把握しやすくなり、生産性向上にも
会議とミーティングという言葉の違いを明確に意識して、社内で開かれる会合のネーミングをきっちりと使い分けることは有意義なことです。参加者の人選に迷うこともなくなり、参加者自身も自分の役割を誤解することがなくなり、会合全体の生産性が高まる可能性は大でしょう。
しかし、現実的にこの違いを使い分けている企業が少ないのが事実です。名前を変えただけで、自動的に内容がアップデートされるわけではありません。とくに物理的距離感のあるWeb会議では、参加者の空気を感じにくいため、事前に開催の目的を明確にアピールする必要があります。まずは常に目的を明確するところからスタートしてみましょう。
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