日本の多くの企業では、まだまだ「充実した会議」は広まってはいないらしく、会議というと「面倒くさい」「退屈だし、時間の無駄」という声がよく聞かれます。
ですが、複数のメンバーが意見を交わす会議は、本来クリエイティブなものです。そうした「本来の会議」を実現する知恵を、比較的最近発行された書籍から学んでみましょう。
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教育の専門家がまとめた、読んですぐに使える会議運用テクニックの集大成
- 『不毛な会議・打ち合わせをなくす技術』
(PHP研究所・2015年2月発売) - 『声に出して読みたい日本語』で一躍名を上げた著者・齋藤孝氏が、2002年に上梓した『会議革命』。そこに新章を加えて改題した新版です。
多くの企業で今も見られる「ダメな会議」を変えるためにはどうすればいいのか、具体的に述べられています。事前の準備から会議の流れのコントロール、結論へと導くテクニック、参加するメンバーの心構え、さらに会議の質と速度を劇的に向上させるマッピング・コミュニケーションまで網羅されています。教育論のエキスパートである著者らしく、読んですぐに使える会議の知恵がギッシリと詰まっています。
会議がおもしろくない、会議が停滞しがちだ…そんな悩みを持つすべての人に、まずおすすめしたい一冊です。
会議ファシリテーションの具体的なノウハウが自然とインプットできる
- 『世界でいちばんやさしい会議の教科書』
(日経BP社・2015年12月発売) - 入社2年目の女性社員を主人公に、「ダメ会議」をいかに活性化させて充実したものに変えていくかを、ストーリー仕立てで学べる、会議のノウハウ本です。企業や組織の会議で実際に起こっているような、現実味あふれるトラブルやアクシデントを例に挙げているので、実際の場面を想定しながらうまく乗り越えていく方法を身に付けることができるでしょう。
著者・榊巻亮氏が自身の現場経験から得たテクニックは実践的で、「会議は初めて」という新人でも活用できます。おもにファシリテーター育成に重きを置いて語られていますので、「会議の司会を担当することが多い」という人はもちろん、日常的なコミュニケーションテクニックを磨くにも有用です。
延べ3万人の会議効率を改善した、実践的なノウハウを網羅したバイブル的な一冊
- 『「結果を出す会議」に今すぐ変えるフレームワーク38』
(日本実業出版社・2016年3月発売) - 10年間で延べ3万人の会議を導いてきたファシリテーター・小野ゆうこ氏の著書。小野氏が経験の中から生み出した、会議活性化のためのノウハウが掲載されています。
書名からすると、フレームワークというものになじみのない読者は尻込みしてしまうかもしれません。ですが、この本なら大丈夫です。
会議を円滑に運ぶためのルールや進行のしかた、行き詰まったときの対処法などが網羅されています。また、フレームワークも難度によって3段階に分類されており、メンバーのレベルに合った方法を選べるという細やかさ。
A5判で300ページ近いボリュームですが、「会議事典」としてデスクの引き出しに忍ばせておきたい一冊です。
書き込みながら会議の準備を進めるだけで「すごい」と言われる存在に
- 『すごい会議ワークブック2014~15』
(朝日新聞出版・2014年3月発売) - 「名は体を表す」の言葉どおり、10年以上も支持され続ける名著『すごい会議』を実現するために、大橋禅太郎氏が手がけたワークブックです。B5判と大きめの寸法で、内容のほとんどは空欄を埋めていくワーク形式になっています。そのため、自然と会議前の準備から会議を終えて何を得たのかというところまでを整理して、次のアクションに結び付けやすくなります。
会議に関する書籍は数多く発行されており、そこにはとても多くの知識やテクニックが語られています。そうした「理論」を実際の会議に落とし込むためのプロセスを、実体験できるのがこの本です。
なお、本書に直接書き込むのもいいですが、ページのコピーを何枚も用意しておき、会議の度に使うようにすれば、あなたの「会議力」は急速に成長していくはずです。
人気放送作家が伝えるユニークな視点の会議論
- 『会議に呼ばれる人 はずされる人』
(日経BP社・2015年10月発売) - 放送作家として数々の人気番組を構成してきた野呂エイシロウ氏による会議の指南書。ほぼ文章だけで構成されていますが、ひとつの項目が2~3ページで簡潔にまとめられており、飽きさせません。
目新しい理論や華やかなテクニックは登場しないのですが、「偉い人の正面に座るな」とか「人の意見にまず乗っかれ」など、ぜひ押さえておきたいユニークな知恵が詰まっています。
おもしろいのは第4章で、野呂氏が会議の場で見てきた「ダメな人」を列記しています。「そうそう、こういう人いるよね~」「えっ、これって俺のことじゃん…」などと思いつつ、読み終わるころには誰もが「ダメな人」を卒業できるという仕掛けです。肩肘張らず、楽しみながら読める「会議の本」です。
まずは会議の場で実践してみることが重要
会議やミーティングに関する書籍は、数多く出版されています。それだけ需要が多いということの証明であり、それはまた「日本のビジネスパーソンは、会議が苦手」ということの表れでもあります。
実際に、会議に対して「つまらない、無駄なもの」というイメージを持っている方は、かなりの数になるでしょう。ですが、そもそも会議とは、複数のメンバーがそれぞれの立場で「会して議する」ものです。その会議が不毛で実りがないとすれば、それは参加するメンバーに落ち度がある、ということになります。
「もう、実のない会議はしたくない!」という方は、ぜひ今回ご紹介した書籍を手に取り、みずから実践して、会議を変えてください。難しいことではありません。ほんのひと言、ささいな気遣いで、会議は大きく変わるのですから。
〈参考〉
『不毛な会議・打ち合わせをなくす技術』(齋藤孝/PHP研究所)
『世界でいちばんやさしい会議の教科書』(榊巻亮/日経BP社)
『「結果を出す会議」に今すぐ変えるフレームワーク38』(小野ゆうこ/日本実業出版社)
『すごい会議ワークブック2014~15』(大橋禅太郎/朝日新聞出版)
『会議に呼ばれる人 はずされる人』(野呂エイシロウ/日経BP社)
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