仕事に必要なノウハウを身につけ作業効率のアップを図るため、企業は社員に対し、さまざまな研修を準備しています。たとえば新入社員研修は人としての基本的なマナーやビジネスマナーを習得するのに役立ちます。また専門職の場合、知識や技術のスキルアップ研修なども戦力となってもらうために必要な研修のひとつでしょう。
このように企業の成長に必要不可欠な人材育成ですが、人事担当者なら知っておくべきポイントがいくつかあります。ここでは、研修期間中の労働時間や費用について、また賃金の支払いや内定者研修の費用についても説明しましょう。
研修の種類やかかる費用について
「研修といっても種類はさまざまで、ほとんどの企業でおこなわれる新入社員研修のほか、管理者研修や経営幹部研修などがあります。研修の形態についても、社内で実務をこなしながらおこなうOJTや職務外でおこなうOFF-JTのほか、社内に講師を招いた研修など、実に多様です。
また、研修は1日のみの場合もあれば、数日かけて宿泊をともなうこともあります。
研修にかかる費目としては、講師派遣費用や教材費、会場費や宿泊費や飲食費のほか、研修提供会社への委託費やセミナー参加費、研修参加者への賃金や交通費などが挙げられるでしょう。
- 企業が研修にかける金額はどのくらい?
- 産労総合研究所がおこなった「2018年度教育研修費用の実態調査」によると、1社あたりの教育研修費用総額は6,221万円、また従業員1人あたりに換算すると34,607円という結果になっています。
- ちなみに、厚生労働省が2018年におこなった「能力開発基本調査(企業調査)」によると、企業が教育訓練のために支出した1人あたりの平均額として、OFF-JTでは14,000円、個人への自己啓発支援費用として3,000円という結果となりました。
- 企業が一番費用をかけている研修は、やはり新入社員教育です。次に初級管理者教育、中堅社員教育、中級管理者教育、上級管理者教育という順番になっていて、役職が上がるにつれて研修の実施は少なくなる傾向にあるといえるでしょう。
まとめ
多くの企業でおこなわれる研修ですが、その目的や種類によって費用負担は異なります。
業務への関連性が深く、社員にぜひ参加してほしい研修の場合は、企業側が研修費や賃金を支払う必要があります。一方で、業務への関連性が希薄で社員が自主的に参加するという場合は、費用を個人負担とするケースが一般的なようです。
しかし先述の厚生労働省の調査では、企業が個人への自己啓発支援として「1人あたり平均3,000円」を支出しているという結果も報告されています。
本来は企業負担ではないが、福利厚生の一環として一定の額までなら補助するという企業もあると考えられるでしょう。
企業の生産性向上のためにも、社員の能力を伸ばす研修は大切です。費用や賃金支払いについては研修内容によって判断しつつ、各々のポイントを押さえておくようにしたいですね。
下記記事では、研修の労務管理のポイントをご紹介しています。
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