第3回は、東京ガーデンテラス紀尾井町 紀尾井カンファレンスを運営する日本コンベンションサービス株式会社の小々馬さんと、当該施設のオーナーかつ共同運営者の株式会社西武リアルティソリューションズの小関さんにお話を伺いました。
- Q.01 会場の特徴を教えて下さい。
- Q.02 普段どのようなことを意識して施設を運営されているのか教えてください。
- Q.03 この会場の魅力を一言で表すとしたらどのようなことか教えてください。
- Q.04 会場運営している中で、一番嬉しかったことはありますか。
- Q.05 過去の会場利用の中でユニークな事例を教えてください。
- Q.06 過去要望されて困ったこと、また、それに対する解決策の提案を教えてください。
- Q.07 会場を提供する中で、失敗事例はありますでしょうか。
- Q.08 ハイブリッド開催では、一体感の醸成や双方向のコミュニケーションが取りづらいことが課題という声がきかれます。演出やコミュニケーションの方法など、リアルイベントに負けない体験をつくるための工夫があれば教えてください。
- Q8-2. 「RICOH PRISM(リコープリズム)」の導入について教えてください。
- Q9. コロナ5類変更でイベントの開催制限がなくなったことによる影響や変化はありますか?
- Q10. 会場として今取り組んでいること・挑戦していることを教えてください。
- Q11. ゆくゆくやりたいと思っている挑戦を教えてください。
- Q12. イベント開催を検討されている主催者の方へのメッセージをお願いします。
- ギャラリー
Q.01 会場の特徴を教えて下さい。
紀尾井カンファレンスは、オープンして7年目になります。
紀尾井タワーの4階にあり、最大800名収容可能な13のカンファレンスルームで構成されています。会議や研修、学会やイベントなど幅広いニーズに対応しておりまして、海外からのお問い合わせ、ご利用も多くいただいています。
カンファレンスルームは、もっとも広いメインルームが最大470㎡あり、300名超の立食パーティでも広々お使いいただいた実績があります。スクール形式のセミナーでは最大372名が着席してご利用可能です。
中規模のセミナールームは、全面ガラス張りで明るく開放感を重視した作りになっています。インテリアはブルーやグリーンを意識的に取り入れているので、ガラス越しの眺望とあわせて、まるで野外で会議をしているように感じられるのではないでしょうか。
ロビーから近いサクラルームは、その名の通り、真下に桜並木を見下ろす場所に位置しています。春の桜はもちろん、春が過ぎると豊かな緑が見えますし、季節ごとに異なる弁慶濠の様子も見ることができます。都心を象徴するようなビルと豊かな自然のコントラストが特徴です。
紀尾井タワー自体は複合ビルで、飲食店のほか、上階にはプリンスホテルブランドの最上位である「ザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町」も入っておりますので、宿泊とセットでご利用いただくのも便利な立地となっています。
もともと、紀尾井町というのは、皇居にも近く、江戸時代には大名屋敷が置かれ、栄えてきた歴史をもっています。武士をはじめとして多くの人々が集まり、幕政に関するさまざまな会議もこの地で行われてきたという、まさに日本の中枢的役割を担ってきた地ですね。
歴史ある場所で、紀尾井カンファレンスという会場を運営するのは、歴史を継承しているような気概もあります。
紀尾井カンファレンスは、地図上では山手線の中央部分に位置し、東京メトロの永田町駅に直結しているので交通の便が良く、どこへ出るにも遠くないというのも強みになっているんです。
また、リムジンの乗り入れも可能なため、空港からのアクセスも良好で、都内の企業や官公庁だけでなく、地方や海外からのご利用も多いです。
旧赤プリ時代から続く国際交流都市としての役割を果たす受け皿として歴史を紡いでいます。
Q.02 普段どのようなことを意識して施設を運営されているのか教えてください。
リピートしていただき、少しでも長い期間ご愛顧いただけるように、というのは常に意識しています。
紀尾井カンファレンスでは、お客様専任のコーディネーターがついて、お客様のご希望に沿った適切な形でイベント・会議を開催できるよう、一貫したサポートを提供しています。
映像、配信、音響といった専門的な分野に対応できるよう、提携のテクニカルスタッフが常駐しています。
遠隔地と双方向での配信、同時通訳など、専門技術を要するものにも対応しております。開催中も、技術的なトラブルに対してはテクニカルスタッフが即応できるような体制を整えています。
他にも、お客様のご利用目的やニーズをしっかりヒアリングすることで、ご要望にふさわしいサポートやサービスを提供させていただくことができます。
「使ってよかった」、「ここを選んでよかった」と感じていただけるような、お客様に寄り添ったサービス提供をモットーとしています。
Q.03 この会場の魅力を一言で表すとしたらどのようなことか教えてください。
自然の中で過ごしているような、他にはない質の高い時間を提供できることではないでしょうか。
奇をてらった仕掛けや、派手なオブジェクトがあるわけではありませんが、落ち着いた環境、安心感のある空間というのは、都会の中にあってこそ特別な魅力に映るはずです。
実際にお客様からも「開放的で明るくきもちのいい会場でした」といった、開放感あふれる美しい景観と心地よい環境についての評価を多数頂いております。
また専任のテクニカルスタッフが常駐していることから「テクニカルスタッフの方の迅速な対応に助けられました」といったサービス面での評価もいただいております。
Q.04 会場運営している中で、一番嬉しかったことはありますか。
一度ご利用いただいたお客様から、また使いたいとお声がけいただいた時、そして実際にリピートしてご利用いただけた時はやはり嬉しいと感じますね。
都内に多くの会場がある中で当施設を選んでいただけたことはもちろん、「利用して良かった」という言葉が社交辞令ではなく真実だったと実感することで、お客様のご要望通り、環境やサポートを提供できたんだな、と改めて喜びを感じます。
サービスの向上を常に目指してフィードバックも徹底しておりますので、リピートしてご利用いただくのは、適切なフィードバック、アップデートができたということでもあり、非常に嬉しく、やりがいを感じます。
Q.05 過去の会場利用の中でユニークな事例を教えてください。
CMやTVドラマの撮影でご利用いただくのは、ユニークな事例と言えるかもしれません。
舞台映えするということでお選びいただいていると思うのですが、記者会見会場や俳優さんの控室としてご利用いただくこともあります。TV局が近いこともニーズにつながっているのではないかと思います。
政治の中枢にもほど近いので、選挙の中継会場としてご活用していただくケースもありますね。
新しいところでは、AR(拡張現実)技術を使った新しいバーチャルスポーツ「HADO」、これはデジタル技術を使ったドッジボールに似た競技なのですが、こちらの会場として利用していただいたこともあります。
それから、こちらの会場は防音設備も整っているので、コンサートも意外に多いんですよ。毎年恒例となっているのが、「KIOI JAZZ WEEK」というジャズのイベントで、昨年はサックス奏者のMALTA(マルタ)さんが出演されました。
オーケストラのニューイヤー・コンサート、ピアノや合唱を含むコンサートなども数多く開催されていて、好評をいただいています。
Q.06 過去要望されて困ったこと、また、それに対する解決策の提案を教えてください。
施設の収容人数を超えた人数を入れたい、会場面積を超える広さが欲しい、というご要望は物理的な問題が生じるので難しいですね。
そういったケースでは、赤坂プリンス クラシックハウス( 旧李王家東京邸)をはじめとする系列の施設、ザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町などと協力して、開催できる可能性があるかどうかを精査していきます。これは、会議室単体で運営しているのではなく、グループで動けるからこその拡張性ではないでしょうか。
Q.07 会場を提供する中で、失敗事例はありますでしょうか。
大きな失敗というのはありませんが、お客様からいただくアンケートに「この部分は良かったけれど、ここは惜しかった」という内容が書かれていると、その部分はアップデートさせていこうと常に考えています。
むしろフィードバックを次に活かすために、こうしたご意見はどんどんいただけると嬉しいですね。
多様化するご要望に添えるよう、これからもお客様とのコミュニケーションは引き続き重視していきたいです。
Q.08 ハイブリッド開催では、一体感の醸成や双方向のコミュニケーションが取りづらいことが課題という声がきかれます。演出やコミュニケーションの方法など、リアルイベントに負けない体験をつくるための工夫があれば教えてください。
ハイブリッドは、会場に来られない方と会場をつなぐために非常に便利な技術だと思います。
コロナのおかげというのは言い過ぎですが、コロナ禍があったからこそ、ハイブリッドの利便性が広く知れ渡ったと言っても良いかもしれません。
紀尾井カンファレンスでは、カンファレンスルームを配信スタジオとして使っていただくようなスタイルを、早い段階からご提案してきました。
同時通訳のオンライン会場として使っていただいたり、セミナーの先生のみが会場にいらっしゃって配信拠点として使うようなやり方ですね、これも早期からご利用の実績があります。
技術的な面をしっかりクリアしていくのが、ハイブリッド開催においては重要だと考えます。紀尾井カンファレンスでは、常駐のテクニカルスタッフが配信に関わる技術サポートを行えるので、自信をもってご提案できるという強みがありますね。
Q8-2. 「RICOH PRISM(リコープリズム)」の導入について教えてください。
「RICOH PRISM(リコープリズム)」は、光や音を使って気持ちを高めるというコンセプトで開発された空間演出技術ですが、それを紀尾井カンファレンスに導入することで、また新しい化学反応が望めると思ったんです。
紀尾井カンファレンスでは、新しい働き方、新しい会議といった、これまでにない斬新な価値観を生み出し、お客様にご提案していきたいという考えがありました。
リコーさんも、こうした新しい価値創出に関して理念を共有してくださって、導入が決まりました。
導入したのは、2022年11月で、2023年1月から一般の方々にもご利用いただけるようになっています。今のところ、カンファレンス施設でRICOH PRISMを体験できるのは、国内で紀尾井カンファレンスのみです。
企業、団体問わず、幅広い方々に需要があり、一週間に2〜3回程度、RICOH PRISMをご利用いただいている感じですね。
RICOH PRISMには色々なアプリケーションがあります。今は20〜30人を想定した研修パッケージを作ろうと検討しているところです。
具体的には、ランダムでチームを作って、アイスブレイクからブレインストーミング、発表するまでの流れをRICOH PRISMを活用して行うというものです。
RICOH PRISMに関しては、興味を持っていらっしゃるお客様が非常に多いのですが、「どのように使ったら良いのか」とご質問をいただくことも多いんですね。
なのでそれに応えるパッケージができれば、紀尾井カンファレンスからお客様へ、また新しい働きかけができるのではないかと考えています。
コロナ禍まっただなかでは、最新技術は、互いに離れた人たちをつなぐために使われていました。
一方RICOH PRISMは、会場に集まってきた人たちの心の距離を縮めるための最新技術です。そういった意味では、今までにないまったく新しいものが生まれていく可能性を大いに秘めていると言えるのではないでしょうか。これまでにないような新鮮な体験ができるので、紀尾井カンファレンスをご利用される多くの皆様に体験いただきたいです。
Q9. コロナ5類変更でイベントの開催制限がなくなったことによる影響や変化はありますか?
この1年間で、ご利用は着実に増えています。
特に、2023年4月頃から懇親会や人数を増やしたイベントが増えてきて、今秋に向けた問い合わせも多くなっています。
傾向としては、完全リアル開催というものは減ってきて、ハイブリッドが非常に多くなっている印象です。ハイブリッドの件数自体は減っているのですが、規模は確実に大きくなっていますね。今までは制限により規模を縮小せざるを得なかったイベントが、規模を戻したり拡大したりして、ハイブリッド開催を行うようなイメージです。
会場やイベントが適切な感染防止対策を行なっているかどうか、それを重視されるお客様は引き続きとても多いので、「安全に使える環境」を求めるニーズが高いのは、コロナ禍と変わりません。
目に見えない部分まで安心をご提供する重要性を、改めて感じています。
Q10. 会場として今取り組んでいること・挑戦していることを教えてください。
東京ガーデンテラス紀尾井町は、BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)の最高ランク5星を獲得した実績があり、新規性・先導性・新規技術および省エネルギー性などにおいて優れたシステムを表彰するコージェネ大賞理事長賞を受賞、環境・社会への配慮がなされた不動産に関する認証制度であるDBJ Green Buildingの最高認証を継続するなど、一貫してSDGsに高い関心をもって取り組んできました。
2021年には、東京都の優良特定地球温暖化対策事業所の「トップレベル事業所認定」を受け、さらに2022年10月からは施設内で使用するすべての電力を実質的な再生可能エネルギー由来の電力とする、実質CO2排出ゼロ(実質ゼロエミッション化)を実現しています。
つまり、紀尾井町カンファレンスを利用することは、イベントを実質CO2排出ゼロで開催するのと同義になります。
今後も、環境に負荷をかけない取り組みを精力的に行い、アピールポイントの一つにしていきたいと考えています。
また、紀尾井町カンファレンスのスタッフは、全員がユニバーサルマナー検定の認定を受けているので、高齢者、身障者などさまざまな方が安心して利用できる取り組みもさらに高めていきたいですね。
Q11. ゆくゆくやりたいと思っている挑戦を教えてください。
先ほどの回答と少し重複してしまいますが、SDGsに関する取り組みはさらに力を入れていきたいですし、継続していきたいと考えています。
紀尾井カンファレンスは、ご利用いただく用途が本当に多岐に渡っています。
政治関連の会や配信イベント、企業セミナーまで幅広い用途でご利用いただいていますが、
これからは地域社会との連携も積極的に検討していければ良いなと思っています。
例えば、海外からご利用いただく場合ですと、会場のスペックもさることながら、会場の立地や歴史的背景が重視されることもよくあるんです。
紀尾井カンファレンスは、弁慶濠も近いですし、少し足を延ばすことで皇居や迎賓館、国立劇場もあり、周辺環境は申し分ないものです。
今後は、こうした地域連携をさらに強めていきたいですね。
Q12. イベント開催を検討されている主催者の方へのメッセージをお願いします。
イベント会場を探している方にとって、機材や会場スペックなど、ハード面で要望を満たせるかということがまず検討事項に入ると思います。
しかし、イベントの成功にあたっては、スタッフのサポート体制やフォローというソフト面も、ハード面と同じくらい重要になると、紀尾井カンファレンスは考えております。
当施設では、テクニカルな対応をするスタッフ、ユニバーサルマナー検定の認定を受けたスタッフがしっかりサポートをさせていただきます。
「何のために開催するのか」といったゴールを共有させていただくことで、目指す形とご要望に応えられるかと思いますので、ご要望や目指す形からぜひ一緒に作らせてください。
■東京ガーデンテラス紀尾井町 紀尾井カンファレンス 施設基本情報
施設名:東京ガーデンテラス紀尾井町 紀尾井カンファレンス
住 所:東京都千代田区紀尾井町1番4号 東京ガーデンテラス紀尾井町 紀尾井タワー4階
最寄り駅:〇永田町駅 直結(有楽町線、半蔵門線、南北線)
〇赤坂見附駅 徒歩1分(銀座線、丸ノ内線)
電話番号:03-3503-6077
定休日:お問い合わせください
受付対応時間:電話受付は、9:30~17:30
お問い合わせ:施設利用に関するお問い合わせフォームはこちら
関連施設はこちら
- ・東京ガーデンテラス紀尾井町 紀尾井カンファレンス
- ・DAIMYO CONFERENCE(大名カンファレンス)
- ・日比谷スカイカンファレンス
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