その象徴が「釜石ワーケーション」だ。そして、それを先導して進めるのが岩手県釜石市の地域DMO*である株式会社かまいしDMC代表の河東英宜氏だ。河東氏は釜石市の「世界の持続可能な観光地100選」日本初選出のサポートを行うなど、その取り組みが評価され、2021年には観光庁長官表彰を受賞。
釜石市には観光名所や温泉といった観光資源があるわけではないものの、昨年も1,000名を超える企業人がワーケーションで訪れるなど、数少ないワーケーション誘客の成功事例としても注目を集めている。いま、なぜ釜石市が地方創生のカギを握る地方都市として注目されているのか?そこにはマイナスをプラスに転換する逆転の発想があった。
河東氏に、「釜石ワーケーション」が生まれた経緯と、観光資源がないからこそ「持続可能な観光地」となった秘訣についてお話を伺った。
DMO(Destination Management Organization)*
観光物件、自然、食、芸術・芸能、風習、風俗など当該地域にある観光資源に精通し、地域と協同して観光地域作りを行う法人のこと。DMC(Destination Management Company)はDMOを実現するための企業のことを指す。