山本大平氏は異色の経歴の持ち主だ。新卒でトヨタ自動車に入社し、新車開発のエンジニアとして長年勤めた後、テレビ局のTBS、そして経営コンサルティング企業のアクセンチュアに転職。現在は独立して経営コンサルタントとして活躍する。
一見、脈略のない転職歴に見えるが、山本氏はすべては人との出会いを大切にしてきた結果、たまたま現在の仕事に至っていると言う。山本氏にとってそれは一貫した人生哲学にあった。それは学生時代にバイクで交通事故を起こして生死をさまよった体験だ。与えられた命を大切にし、限られた時間をムダにしたくないという強い思いがあるのだ。
山本氏の著書『トヨタの会議は30分』は、会議の効率化に留まらず、彼の人生哲学を綴った渾身の一冊と言ってもいい。本書はビジネス書であると同時に、人とのコミュニケーションのあり方、そして限られた時間をいかに大切に使うかを徹底的に考えた人生の指南書である。
改めて“生きる”という原点に立ち返って、コミュニケーションのあり方、時間管理の仕方など、山本氏のビジネスに対する考え方を伺った。