「昨日まで刑務所におったんですわ」
開口一番、そう言った竹中功氏。
さすが元吉本興業の男である。いきなりボケをかますところは抜かりない。竹中氏は、業界では知らない人はいない“謝罪マスター”の異名をとる元吉本興業の広報マン。
吉本興業を退社後は、企業の広報コンサルタントをはじめ、ラジオ番組のパーソナリティ、コメンテーター、作家として活躍。
刑務所にいたというのはウソではない。竹中氏は現在、刑務所で釈放を迎えた受刑者たちの社会復帰プログラムのサポートをしているのだ。
「芸人も囚人も同じですわ」とさらりと言う竹中氏。今年は吉本の謝罪会見がメディアを騒がせたが、竹中氏にとって“良い謝罪”とは、相手の気持ちを理解することだという。
「“良い謝罪”ができれば良い人間関係を築くことができる。ウソや強欲、見栄は生まれない」と。
吉本で学んだお笑いやコミュニケーション、さらに刑務所で受刑者に伝え続ける「自分を愛するコミュニケーション」について、お話をうかがった。