イベント専門のコンサルティング会社ホットスケープの代表 前野さんに聞く「【初心者必読】成功するイベント・セミナーの作り方」
第10回目テーマは「ステージ関連で気をつけたいこと」です。
講演、表彰、プレゼンテーション、パフォーマンスなどイベントにステージ企画はつきもの。ステージに立つ人もそれを支える人も、やるべきことはたくさんありますよね。特に登壇者が社外から招いた人という場合は失礼のない丁寧な対応が必要となります。そこで、今回はステージまわりについて事前に準備するべきこと、当日に注意するべきことをご紹介します。
ステージまでの導線とステージ上について
- ――続いて、登壇者を最も輝かせる舞台づくりについて教えてください。ステージ企画を成功に導く準備や工夫とはどのようなものですか?
- まずは控室からステージまでの導線を確認しましょう。舞台袖や裏導線などは暗い上、照明・音響機材などさまざまな物が置いてあって歩きにくいことも。蓄光テープで印をつけてあげたり、本番時はライトを持ったスタッフを一人つけてあげたりするなど、ステージに上がるまでの余計な不安を取り除くことが重要です。
- そして導線と合わせて確認すべきは、ステージ登場のタイミング。今かな今かなと登壇者を迷わせるような段取りは避けてください。この効果音の直後に登場というのもありですし、登場前の司会者の台詞を「○○○の△△△さんです、どうぞ」といったわかりやすいものにするのもいいでしょう。また、登壇者紹介の文言の前後、どちらでステージに上がってもらうとスムーズなのかを検討しましょう。中にはステージ上で自分の経歴やプロフィールが語られるのを聞いているのが恥ずかしいという方もいます。演出上の制限と登壇者の希望をうまく両立させられるといいですね。
- ――ステージに上がってもらうまでに気をつかうべきこともたくさんあるんですね。では、ステージ上に用意すべきもの、整えておくべき環境とは何でしょうか?
- ステージ企画の内容によって変わってくるところですが、演台(司会者台)を使っての講演が多いかと思いますので、今回はそこに用意すべきものを挙げてみます。ひとまず、原稿、パソコン、マイク、水、レーザーポインター、おしぼりは最低限必要なものでしょう。マウス、ティッシュ、筆記用具とメモ帳、水を飲むストローなどもリクエストがあればすぐ出せるように準備しておくといいですね。ステージ全体が明るい場合はいいのですが、照明がやや暗めなときには手元を照らす明かりも必要になります。また、演台まわりにはコードが多くなりがちですが、踏んで転んだりパソコンを落としたりしないよう、ガムテープでまとめておくなどしてなるべくすっきりさせましょう。
- ポイント
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- 登壇者の負担や不安をなるべくゼロに近づけること。
- 本番になって迷ったり焦ったりしないよう、打ち合わせやリハーサルは丁寧に。
控室やステージまわりの準備は登壇者や講演内容で大きく異なりますが、とにかく早め早めの確認や対応がカギとなります。登壇者というのはイベント来場者から見れば運営側に近い人間ではありますが、運営側からすれば大切なゲスト。たとえ登壇者が外部の人間でなく同じ社員だったとしても「このイベントに携わってよかった」「このステージに上がれてよかった」と思ってもらうことが、次回以降のイベントの成功につながります。ステージに立つ人に余計な心配や不安を与えず、講演内容だけに全力で集中できるような環境づくりに励みましょう。
さて次回は、イベント全体におけるリスク管理・安全管理についてお伝えします。
少し抽象的でわかりづらいかもしれませんが、例えば落し物があったとき、けが人や病人が発生したとき、クレームを受けてしまったとき、イベント自体がキャンセルになってしまったときなどの対応…考えていますか?
イベント運営初心者にとっては重い話かもしれませんが、必ず考慮し備えるべきこと。備えあれば憂いなしとまではいきませんが、想定を幅広く持ち対応策を練っておくことでトラブルの解決もぐっと早く楽になります。
どうぞお楽しみに!