参加者全員が準備する会議【第5回】

参加者全員が準備する会議【第5回】人財育成家 沖本るり子

こんにちは。「5分会議」🄬を活用した人財育成家の沖本るり子です。

会議の時間を有意義な時間にするために、会議の仕組みを工夫しましょう。それでは、人と組織がみるみる育つ「5分会議」🄬進め方の事前準備からです。

大人数はチームに分けて
10人集まる会議は、参加者を2つのチームに分ければいいだけの話です。10の場合は、5人一組のチームを2組つくり、それぞれでミニ会議を行うのです。「5分会議」🄬では、参加者全員が意見を出し議論することを、もっとも重視しています。会議中、一言も発しなかったという人はいません。そういう人を出さないように、場をつくっていけばいいのです。
チーム分けや席次には、基本こだわる必要はありません。ただ、同じ年代や部署でチーム分けするよりも、さまざまな人でチームをつくるほうがミニ会議も多様な意見が集まり盛り上がるでしょう。逆にあえて同じ属性で固めて、チーム間で意見の違いの対比を示すのも一つのやり方です。
このやり方を応用すれば、一度に100人集まる場合でも「5分会議」🄬は行えます。20組のテーブルセットを用意し、20組に分かれて進めればいいのですから。
テーブルの設営は、ぜひ参加者のみなさんに手伝ってもらいましょう。少し早めに来てもらって、みんなで手分けして準備を進めれば早くできるだけでなく、参加者自身も会議に加わっている実感が得られて気持ちが高まります。テーブルと椅子を会議室に配置できたら、それぞれのテーブルには必要なものを置きます。
これらは会議が始まってから、テーブルごとに備品係を決め、手分けして用意させてもいいでしょう。
テーブルの上に必要なもの
◇ホワイトボードシート…ミニ会議が行われる回数に応じて用意
◇ホワイトボード用マーカー
◇キッチンタイマー…2個
◇付箋…短冊形のもの。できる限り色を多く揃える
※ほかに飲み物や、脳に糖質補給できるようにクッキーやチョコレートなどを用意するのも有効です。
各自の名札づくり
会議室のテーブルを配置したら、あと2つ用意しておくものがあります。それは、A4の紙とサインペン。参加者が気づくように、入口付近に置いておきます。そして、紙1枚とサインペン1本をそれぞれとって、席に着くように説明します。
参加者全員が会議に入る前にやるべきこと、それは「名札づくり」です。社内会議なら、誰もが見知った関係だから名前くらいわかっているし不要だ、そう考える人もいるでしょう。しかし「5分会議」🄬の名札づくりは、名前を覚えてもらうことだけが目的ではありません。
名札をわざわざつくってもらうのは、会議に参加するというスイッチを入れるための儀式だからです。自分で紙を折り、名前を書いて、席の前に置く。この一連の動作によって、「私はこの会議の一員なのだ」という自覚を促します。
名札のつくり方
①A4の紙を、四つ折りにする
②紙を広げ、四分割した面のうち、真ん中の折り跡のすぐ下の面にサインペンで大きく名前を書いてふりがなを入れる
③紙の上下が入れ替わるように回転させ、②と同様に名前とふりがなを書く
④四分割した面のうち、両端の二面が重なるように折り、三角にする
⑤④の二面が重なったところが底になるようにして、テーブルの上に置く
数回行えば、紙とサインペンを置いているだけで、各自つくれるようになります。
そしてこの名札づくりには、3つのポイントがあります。

①毎回新しくつくる

先ほど名札をつくるのは、「自分が会議に参加する」という自覚を促す儀式だと説明しました。この作業そのものが、会議脳にスイッチを入れる役割を果たすのです。
そのため名札は毎回新しいものをつくります

②ふりがなを書く

名前にはふりがなを忘れずに書くようにします。名札は同じテーブルの人たちに、自分の名前を知ってもらうためにあります。ところが日本語は難しいもので、同じ漢字にもいろいろな読み方があります。たとえば「中田さん」はなかたさんなのか、なかださんなのか。また珍しい苗字の場合、読み方がわからないということも。
読み方に迷う名前を呼ぶのは、抵抗があるものです。そして間違えたら間違えたで、相手もいい気がしません。こうした小さなストレスが、会議の進行を妨げます。ですから名札にはふりがなを入れるようにします。本人が書くのですから、間違いようがありません。

③ニックネームは使わない

普段は本名を使う会社でも、社内研修やグループワークでは自由でオープンな空間をつくるためにニックネームを用いる場合があります。たしかに、いつもと違う名前になることで、普段なら躊躇してしまうことも思いきり話せるといった効果はあるかもしれません。
しかし「5分会議」🄬では、本名を使うことを基本としニックネームは推奨していません。なぜなら会議である以上、一定の緊張感と発言に対する責任を持たせるべきだと考えるからです。ニックネームに頼らなくても、風通しのよい組織風土であれば、本名であっても自由に発言できるはず。日ごろからニックネームで呼び合う会社は別として、基本は普段通りで、本名を用いましょう。
では、オンライン会議では?
名札は、会議ツールに氏名を表示することができるのであれば、ひらがなで苗字を各自で設定してもらいましょう。
ホワイトボードシートは、使用できればExcel を。なければ参加者全員の意見を書いてExcel表のように見えることができる機能を使用します。最悪の場合はExcel表を全員が見えるようにプロジェクターで映す方法で代用しましょう。

※本記事は『期待以上に部下が育つ高速会議』から抜粋・再編集したものです。

沖本るり子(おきもと るりこ)
「5分会議」🄬を活用した人財育成家。1分トークコンサルタント。株式会社CHEERFUL代表取締役。「人財育成と組織改革」を柱に、企業向けコンサルタントや研修講師を務めており、台湾(労働部)主催の講演会でも登壇した。「5分会議」🄬はRKB毎日放送「今日感テレビ」で紹介された。著書に『相手が”期待以上”に動いてくれる! リーダーのコミュニケーションの教科書』(同文舘出版)、『生産性アップ!短時間で成果が上がるミーティングと会議』(明日香出版社)、『期待以上に人を動かす伝え方』(かんき出版)、『期待以上に部下が育つ高速会議』(かんき出版)など多数。
株式会社CHEERFUL

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