会議にまつわる、あるあるを川柳にする「会議のオキテ」。
メンバーを集め、長時間缶詰になって会議を行う。無事に終わった解放感と安堵感から、その夜はお酒を飲んでぐっすり眠る。翌日になって、ふと振り返る。「昨日は長い時間、がんばったなぁ!あれ、そういえば昨日の会議って、何の話をしていたんだっけ…」。その会議、本当に意味ありました?
世界でもかなり低い日本の労働生産性
会社ではさまざまな会議が行われています。会議は、なぜするのでしょうか。もちろん必要だからです。でも、会議のプロにお話を聞くと、無駄な会議だと思いながら参加している人もたくさんいるようです。
なぜ、そんな無駄な会議が日本中で開かれているのでしょうか。
公益財団法人日本生産性本部の調査によると、日本の労働生産性(就業1時間あたり名目付加価値)は、42.1ドル。OECD(経済協力開発機構)加盟35ヵ国の中で見ると20位だそうです。
統計でさかのぼれる1970年以来、主要先進7ヵ国の中では最下位が続いています。
無駄な会議はその象徴かもしれません。
社外の会議室をレンタルしたり、合宿をしたりして一日中缶詰になって、会議をしたことがある方も多いと思います。
あなたは、そのときの会議の内容をすらすらと説明できますか?
問題は何か「イベント」をやった記憶だけはあるものの、結局何の話をして、何を決めたのかよく覚えていない、という人が多いことです。
会議の中身をなぜすぐ忘れる?
議事録をとったり、付箋にたくさん意見を書いてホワイトボードに貼りつけたりして総論をまとめて、「みんな、今期はこれでいきましょう!」と発表して、翌日にはもう忘れてしまうのです。
やっていることは決して間違ってはいません。では、せっかく長時間かけて付箋に書き残したことやホワイトボードに書いたことが、なぜ記憶から消え去るのでしょう。
まず、議事録を残しても改めて見直す人はほとんどいません。標語を作っても、それを暗記して言える人もいません。社員のコミュニケーションを図り、団結心を促す納涼会や決起集会ならそれでいいでしょう。しかし、会議は何かを「実行するための決議の場」です。
会社の方針を決めるような重要な会議は、憲法の起草のようなものです。そして、毎日行われるような会議は、法案の決議をする場です。
会社の方向性を決めても、具体的な実行案とスケジュールを立てて、行動に移さなければ意味がありません。
大きな会議ほど「有意義だったね」と、その日だけのイベントで終わらせてはいけないのです。
泳げない人が泳げる人の話を聞いただけで、泳げるようにはならないのです。
文・会議HACK!編集部
イラスト・タナカケンイチ